取材・文/ふじのあやこ
離婚、再婚などで複雑化する家族関係。血縁のない家族(義家族)との関係で生じる問題、そして新たに生まれたものを、当人にインタビューして、当時感じた素直な気持ちを掘り下げます。【~その1~はコチラ】
今回お話を伺った咲良さん(仮名・37歳)は27歳のときに職場で出会った男性と結婚、現在は旦那さまと子どもと三人で暮らしています。咲良さんは東京都出身で、両親と8歳下の妹との4人家族。内緒の社内恋愛の末に授かり婚をしたことで、結婚を社内で伝えることさえ気まずく、妊娠は隠すことに。妊娠中も仕事を続けていたため、義母からは最初からいいように思われていなかったそう。
「子どもが先だったこと、夫は埼玉県出身だったのに一度も挨拶に行っていなかったこと、そして妊娠後も仕事を辞めずに結婚式も未定のままだったことで、最初からかなり心象は悪かったんですよね。『仕事をまだ続けているの?』『結婚式は?』の質問はご挨拶のときに言われただけですが、他の小言は夫がかなりせき止めてくれていたんだと思います。仕事を辞めてからは体調不良などが重なり、一度も会わないまま実家に戻ってそのまま出産しました。出産後義両親は一度病院には来ていただいたんですが、本当にたった一度だけでした」
ワンオペから実家に頼ることが増え、夫は自由に
仲が良くないほうが淡泊な付き合いができると義母との関係はさほど気にしていなかったという咲良さん。旦那さまは子どもが生まれた後も仕事は相変わらずの激務で、子育てには自分の両親を頼っていたそう。家を空けることも多かったのだとか。
「当時は子育てで精いっぱいで義母のことなんてすっかり頭から消えていたんです(苦笑)。出産後2週間ほどで実家から家に戻った後は本当に地獄でした。ワンオペは想像以上に辛くて、まったく眠れないし、子どもは湿疹ができたり熱を出したりとまったく気が休まらない……。私も寝ていないから頭が働かなくて1日1日無事に過ごすだけで必死でした。
そんな疲弊している私をよそに、夫は仕事が忙しくて帰ってくるのは毎日深夜。何度もケンカしましたよ……。そして義母ではなく私の実家に頼ろうと、夫が私の母親にお願いしてくれました。『すいません』と頭を下げてくれたんです。義母と私があまり仲が良くないのは夫も知っていたので、義母に頼ることはまったく頭になかったです。母も父も初孫だったし、夫が頼ってくれたのが嬉しかったのか、本当によくしてくれました。父は初めてできた息子である夫のことが大好きだったんですよ」
子どもが小学生になったことで、咲良さんは時短勤務で仕事を始めます。そんな最中にコロナ禍に入り、学校は休校に。自宅学習の時間が増えたことで咲良さんは仕事を辞めることにします。変わらず出勤を続ける旦那さまの態度に怪しい点は何もなかったと言いますが、ふと置きっぱなしになっていたスマホを見たときに、ある女性とのやりとりを見つけてしまったとか。
「夫のスマホのゲームをよく娘がしていて、自由に貸していたから浮気なんてまったく疑っていませんでした。私もそのゲームがしたいというとすぐに貸してくれていたので。夫がリビングから席を立ってどこかに行ったときにスマホを確認すると、通知は何もないのにスマホが震えたんです。なんとなく違和感があったので、LINEを開くと、『田中』みたいな苗字で登録されている人からのメッセージが入っていました。アイコンが猫だったんで、女性かもと開いたら、『遊びたいです』みたいな内容が入っていました」
【息子の風俗通いを庇う義母。次ページに続きます】