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「豊臣秀吉朱印状」〔桃山時代 奈良・談山神社蔵〕

「豊臣秀吉朱印状」〔桃山時代 奈良・談山神社蔵〕

「和紙」という用語は、明治時代に西洋から輸入されたパルプを原料とする紙「洋紙」に対して用いられはじめました。江戸時代までの日本では、各地域で伝統的な手法により紙が生産されていましたが、洋紙に比べると生産効率が劣っていたため、日本の紙産業は危機的状況となりました。

そうしたなかで、高知県出身の吉井源太は紙の生産効率の向上、インクのにじまない和紙、非常に薄くても丈夫なタイプライター用原紙の開発などの改良を行うとともに日本各地への技術普及を行いました。

本展は、江戸時代までの日本の紙が明治時代に吉井源太の手で技術改良され「近代和紙」に生まれ変わった道のりを、江戸時代以前の品や関連資料とともに紹介します。

「法華経 巻二」〔平安時代 奈良国立博物館蔵〕

「法華経 巻二」〔平安時代 奈良国立博物館蔵〕

本展の見どころを、奈良国立博物館・学芸部保存修理指導室長の鳥越俊行さんにうかがいました。

「本展は3つの章で構成されています。第一章は、江戸時代までの手漉きの紙を、奈良国立博物館がお預かりしている作品の中からご紹介します。またそれらの紙を作るために当時使われていた道具も紹介します。

第二章では、吉井源太の仕事を中心に近代和紙の誕生について紹介します。吉井は原材料の安定供給、量産可能な技術や道具の開発を通じて、紙の生産量を一挙に2倍から3倍に上げることに成功しました。また、吉井が開発した非常に薄く破れにくい和紙は、1900年のパリ万博で賞を得るとともにタイプライター用原紙などとして、昭和40年代まで大量に海外に輸出されました。

第三章では、文化財における紙質調査と修理・修復作業を紹介します。和紙は墨との相性がよく、保存状態がよければ100年、200年、1000年ももつものです。今回は平成23 年に修理した重要文化財「法華経 巻二」(平安時代)などをご紹介します。

本展で、日本の和紙の素晴らしさを再確認していただければ幸いです」

身近な紙の意外と知られていない歴史を知る覧会です。ぜひ足をお運びください。

【特別陳列 和紙―近代和紙の誕生―】
■会期/2016年6月7日(火)~7月3日(日)
■会場/奈良国立博物館
■住所/奈良市登大路町50(奈良公園内)
■電話番号/050・5542・8600(ハローダイヤル)
■料金/一般520(410)円 大学生260(210)円 ( )内は20名以上の団体料金 ※高校生以下・18歳未満・70歳以上・障がい者手帳所持者と介護者1名は無料
■開館時間/9時30分から17時まで、金曜日は19時まで(入館は閉館30分前まで)
■休館日/月曜日
■アクセス/近鉄奈良駅より徒歩約15分またはJR・近鉄奈良駅より市内循環バスで(外回り)で「氷室神社・国立博物館」下車

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