“ソロキャン”の次は、“デュオキャン”と“合わせ技キャンプ”がくる!?
最近ブームのキャンプ。その楽しみの一つに、アウトドアで料理を作って食べる“キャンプ飯”がある。これをしたくて、キャンプを始めた人も多いことだろう。
キャンプ料理レピサイト「ソトレシピ(https://sotorecipe.com/)」を運営する株式会社ソトレシピは、この度キャンプ料理に特化した調査機関・ソトレシピ総研によって「キャンプ料理トレンド調査2020」を実施! その結果を以下に発表します。
1.“映え離れ”するキャンプ飯。トレンドは“ジタンプ飯”。ジタンプ飯はモテ飯!?
『キャンプの中で最も時間を使う事は?』という質問に対して、約50%のキャンプ経験者が「料理」と回答した。次いで約20%が「食事」と回答し、キャンプを楽しむ中で「料理」と「食事」の重要さが強調される結果となった。
また、『キャンプ料理は「作るとき」と「食べるとき」どちらが好きですか?』という質問に対して約45%が「食べるとき」と回答しており、食べることそのものをより楽しみたいという傾向が明らかになった。このことから、キャンプにおける“料理・食事”を充実させることが、キャンプの時間をより豊かにする重要な要素であると考えられる。
『キャンプ料理で重視することをすべて選んでください。』という質問に対しては、約70%が「手軽さ(材料が少ない、工程が少ない)」と回答。加えて、約42%が「おいしさ」、さらに約40%が「シンプルさ」を重視すると回答した。一方で、昨今のキャンプブームをけん引したと思われる「写真映えするかどうか」といういわゆる“映え”要素への関心は約17%に留まった。このことから、直近のキャンプ料理におけるトレンドは“映え離れ”が進行しており、シンプルで手軽に調理できておいしい“時短飯”の要素をキャンプにも求める“ジタンプ飯”が人気の傾向であると明らかとなった。
また、同様の質問を男女別で比較すると、男女間で異なる傾向が明らかになった。女性の方が“ジタンプ飯”をキャンプ飯に求める傾向が顕著にでており、「手軽さ(材料が少ない、工程が少ない)」「おいしさ」「シンプルさ」のすべての要素において男性を上回る結果となった。一方で、男性にも“ジタンプ飯”トレンドを反映した結果ではあるが、女性と比べて「ワイルドさ」「豪華さ(食材費が高い)」「複雑さ(材料が多い、工程が多い)」をより重視する傾向が強く、男女間におけるキャンプ料理における重要ポイントに違いがみられた。
2.実は“和キャンプ飯”が人気!さらに、20代で“キャンプ飯が多国籍化”現象も。
『よく作るキャンプ料理のジャンルをすべてお答えください。』という質問では1位「洋食」、2位「和食」、3位「イタリアン」という結果になった。
キャンプといえばバーベキューなどの肉料理や「カレーライス」や「ハンバーグ」などのダッチオーブンやスキレットとの相性の良い洋風の料理をイメージしがちだが、意外にも2位は「和食」となった。
『キャンプで作ったことがある和食メニューをお答えください』という質問に対しては、「肉じゃが」や「味噌汁」といった家庭でも定番の和食から、「すき焼き」や「うな丼」といった特別感ある和食メニューまで幅広いメニューがキャンプ場で調理されていることが分かった。
ユニークな回答としては「鴨」「猪」「鹿」などの日本ならではのジビエを使った料理も楽しまれていることが明らかとなった。
さらに、よく作るキャンプ料理に関する質問において、20代の回答に特徴的な傾向がみられた。よく作るキャンプ料理として「和食」と回答した割合は20代が最も多かった。また、20代では「中華」「フレンチ」「アジアン」「フレンチ」ジャンルの料理をよく作ると回答する割合がほかの世代に比べて特に高くなっており、若年キャンパーでは“キャンプ飯の多国籍化”現象が生じていることが明らかになった。
3.“ソロキャン”の次は、“デュオキャン”が若年層を中心に人気上昇!?
『キャンプに行く人数として、最も当てはまるものをお答えください。』という質問に対して、最多の回答は「家族3人以上」が37.5%となり、いわゆるファミリーキャンパーが最も多い結果となった。
しかし、「ソロ」、「友人と2人」、「パートナーと2人」、「親子2人」などの1~2人でのキャンプを好む層を足し上げると、全体の約43%を占めることが明らかになり、実は半数近くが“デュオキャンパー”(32.8%)と“ソロキャンパー”(10.5%)であることが分かった。「友人3人以上」のいわゆる“グループキャンパー”は約19%であり、今回の調査においては、実は最も比率の多いファミリーキャンパーと同程度の“デュオキャンパー”が存在することが明らかになった。
さらに、年代別に比較するとソロキャンパーの割合が最も多いのは50代で17%だった。一方で、今回の調査において最も若い世代の20代キャンパーの47%がデュオキャンプをよく行うと回答した。年代が上がるごとに、ライフステージの変化に伴ってファミリーキャンパーの割合が高くなる傾向がある一方で、友人3人以上のグループキャンプの割合は年代差がほぼ無い結果となった。
4.初心者にとってキャンプは「意外と忙しい」。キャンプ力向上のカギは“料理”
2019年にキャンプを始めたキャンプ初心者に対して『キャンプに興味を持った理由を教えてください。』と質問をしたところ、最も多かったのが「非日常を味わえそうだから」(46.7%)、次いで「外で食べる食事がおいしそうだから」(41.7%)、「アウトドアが好きだから」(30%)と続いた。
さらに、キャンプ初心者に対して『キャンプを体験した感想として当てはまるものをお答えください。』と質問をしたところ、約2人に1人が「予想通り忙しかった」「思ったよりも忙しかった」と回答し、キャンプを体験する前後における、キャンプのイメージへのギャップが明らかとなった。「アウトドアでおいしい料理を食べて非日常を味わいたい」という願いがありつつも、実は理想のキャンプを実現するための難しさを感じることが多いと感じる回答者が多数存在することが明らかになった。
全回答者を対象に『さらにキャンプの時間を充実させるために最も高めたいスキルを教えてください。』という質問を行ったところ、半数以上となる約57%のキャンパーが「料理」と回答した。キャンプ歴別の調査においても、2019年にキャンプを始めた初心者キャンパーもキャンプ歴10年以上の玄人キャンパーも同様にもっとも回答の割合が高かったのは「料理」であり、キャンプ料理のスキルを高めることで充実したキャンプライフを過ごしたい、過ごすことができると考えているということが明らかになった。
5.キャンプの楽しみ方に限界はない!?2020年は合わせ技による“ミックスキャンプ”に注目
『キャンプと合わせて楽しみたいことをすべて教えてください(やったことがなくて、やってみたいことも含む)』
現在のキャンプに関する満足度を測る質問に対しては「今も楽しいがさらに充実させたい」という回答が55.8%で半数を超えた。世代別に比較すると、すべての世代において50%以上の回答者が同様の回答行った。特に20代は唯一60%を超えた世代であり、最もキャンプ意欲が高い世代であるといえる。このことから、現在のキャンプ人口の半数以上が現状に満足するのではなく、さらにキャンプの時間を豊かにしたいという意欲に溢れるキャンパーであることが明らかになった。「今のままで十分楽しい」という回答を加えると、キャンパーの80%以上がキャンプを楽しんでおり。キャンプブームがまだまだ衰えることなく盛り上がっている様子がうかがえる。
『キャンプと合わせて楽しみたいことをすべて教えてください(やったことがなくて、やってみたいことも含む)』という質問に対しては、1位「マリンスポーツ(サーフィン、SUP、カヤックなど)」(34.8%)、2位「釣り」(33.8%)、3位「海水浴」(32%)、4位「写真撮影」(30%)、5位「マウンテンスポーツ(マウンテンバイク、スキー、クライミングなど)」(28%)となった。
世代別の比較においては、最もキャンプ意欲が旺盛な20代は「サウナ」への関心が高く、他の世代が10%台だったのに対して、37%の20代がキャンプとサウナを組み合わせて楽しみたいと回答した。また「インドアゲーム(ボードゲーム、カードゲームなど)」「農業(収穫体験)」「合コン・婚活」「映画」「社員研修」といった回答がほかの世代と比べて高い結果となった。特に20代においては、これまでキャンプとの連想がしにくかった体験やライフスタイルとの“合わせ技”で新しいキャンプスタイルを楽しんだり、楽しもうとする傾向が強いことが明らかとなった。
最近では、単純にアウトドアの雰囲気を満喫するだけのキャンプから、キャンプを中心にさらに多くの楽しみ方を実践している人も多くいるようだ。キャンプの魅力は一過性のブームから、趣味として定着しつつあるのかもしれない。
※ソトレシピ総研『キャンプ料理トレンド調査2020』