【今から待てない『麒麟がくる』！】大河ドラマファンの編集者が明智光秀が主人公の『麒麟がくる』に期待する理由を語り尽くす Part１
■『信長公記』から飛び出して来たような役所広司の信長
恵那市内には明智光秀の母親の墓所伝承地がある。同地には江戸時代の寛保３年（1743）造の石塔が立つ。写真は墓所入口に立つ｢敵は本能寺にあり｣の石碑。
Ｂ 『麒麟がくる』の主要キャストはどう受け止めている？ 主人公の明智光秀は朝ドラ『まんぷく』でおなじみの長谷川博己（2020年で43歳）。古くは21世紀になってから唯一視聴率40%を超えたテレビドラマ『家政婦のミタ』でお父さん役を演じていた俳優だけど。
Ａ 織田家中の出世頭だったエリート武将でありながら、知的で風流を解し、公家とも対等に付き合った光秀のイメージにぴったり合っているんじゃないかと思います。年齢も大河の歴代光秀役の役者さんとそんなに大差がないし。
Ｂ 大河ドラマでの歴代光秀といえば、『国盗物語』（73年）の近藤正臣と『信長 KING Of ZIPANGU』のマイケル富岡の31歳が最も若い。『秀吉』(96年)の村上弘明が40歳。『春日局』(89年)の五木ひろしが41歳で､『江 姫たちの戦国』の市村正親の62歳を例外として、だいたいが40代から50代の役者が演じている。
Ａ 『麒麟がくる』では、信長役は染谷将太。2020年に28歳。一見、｢若くね？｣と思われがちだけど、われわれアラフィフ世代がドンピシャでみた『徳川家康』（83年）ので信長を演じた役所広司は当時27歳！。『国盗り物語』の高橋英樹29歳、『信長 KING Of ZIPANGU』の緒方直人は25歳だったから、28歳の染谷将太が若いってことはない。
Ｂ 役所広司の信長は、若いころの放蕩ぶりがはまってましたよねー。『信長公記』からそのまま飛び出して来たかのようでした。信長といえば、役所広司っていう人は多いと思いますよ。ところで、この『徳川家康』では、家康役が長身でスマートな滝田栄（当時33歳）。｢狸おやじ｣という旧来の家康像を完璧に裏切ったキャスティングが話題になりましたね。
Ａ そこそこ。実は、『麒麟がくる』の染谷将太の信長は、従来の信長像を破壊するのではないかと思っているんですよ。注目は秀吉役の佐々木蔵之介の存在。この話は次回以降にゆっくり話しますよ。
Ｂ まだ放送開始まで約２か月ありますからね。いや、しかし、本格戦国大河、待ち遠しいですね～。
（敬称略／以下Part2に続きます）
●編集者Ａ 月刊『サライ』編集者。歴史作家安部龍太郎氏の｢半島をゆく｣を担当。初めて通しで視聴した大河ドラマは『草燃える』（79年）。ＮＨＫオンデマンドで過去の大河ドラマを夜中に視聴するのが楽しみ。
●編集者Ｂ 歴史書籍編集プロダクション｢三猿舎｣代表の安田清人氏。初めて通しで視聴した大河ドラマは『黄金の日日』（78年）。毎年大河関連本の編集に携わっている。
