
房総半島東端、太平洋に突き出したような形の千葉県銚子。東国随一の河川・利根川が関東平野を横切り流れ込み、海と河の両面から江戸を支えた水運の要衝である。
いまや、そばつゆに欠かすことのできない関東濃口醤油の歴史は、江戸開府から間もない1616年(元和2年)に遡る。
鎌倉時代に中国から紀州に伝わった味噌とその浸出液である溜(たまり)。銚子の豪農であった田中玄蕃が、この製法を用い「たまりしょうゆ」を醸造して、売り出したのがヒゲタ醤油の始まりである。
1697年(元禄10年)には、五代目田中玄蕃が、江戸の食味に合うように醸造法を改良。現在の関東濃口醤油の基礎ができあがり、江戸庶民の食生活に愛用されるようになる。
かえしが変えた江戸の蕎麦文化
江戸中期、蕎麦切が広く親しまれるようになると、濃口醤油をベースにした「かえし」が生まれ、そばつゆの味を進化させた。これにより、蕎麦は江戸を代表する美味となったのである。
銚子駅のほど近くJR総武本線の線路沿いにヒゲタ醤油銚子工場はある。そこかしこの建屋から醤油の穏やかで心地よい香りが漂う。
ヒゲタ醤油の歴史

だしを引き立てる醤油の理念



同社研究開発部長の田中昭光さんは、香りの穏やかさがヒゲタ醤油の特徴のひとつだという。
「ヒゲタの醤油は香りが穏やかなので、お客様からは“素材やだしが引き立つ”と言っていただくことがあります。穏やかな香りで素材やだしを引き立てつつ、醤油本来の豊かな風味と後味のコクが感じられる。これがヒゲタの考える醤油の理想です」(田中さん)

そして、そばつゆの基本となるかえし。醤油にみりんと砂糖を合わせて作るが、やはり熟成が大事だと田中さんは言う。
「材料を合わせた直後は、調味料同士の味や香りが充分になじんでいません。冷暗所でじっくりと寝かせることで、それぞれの風味が溶け合い、深みとまろやかさのある味わい豊かなかえしになります」
現在でも関東のそば屋の多くがヒゲタ醤油を用いているといわれる。この地で400年以上続くヒゲタの醤油造り。その真髄が、だしと素材を引き立てる醤油の理念に込められている。

プロの料理人に愛される醤油「本膳」で作られたつゆ。「本膳」の風味を活かすため、半量を非加熱で仕上げる半生がえし製法を採用。こだわりのかえしと、国産枯節(かれぶし)・国産真昆布のだしが調和した上品な味わい。濃縮2倍。
問い合わせ先/ヒゲタ醤油お客様相談室 電話:0120・144・164











