文/安藤政弘

ブームをリードするフジミ模型の「艦NEXT」シリーズ

日本の軍艦を擬人化したゲーム「艦これ」のヒットや、近年、海外の探索チームにより、武蔵や島風など、日本の戦艦の発見が相次いだこともあり、軍艦ホビーの王道というべき第二次世界大戦時の艦船プラモデルが再注目されています。ブームをリードしたのが、模型メーカーの老舗、フジミ模型から登場した「艦NEXT」シリーズです。

最大の特徴はスナップフィットと着色ずみプラパーツの採用により、接着剤、塗装不要で組み立てられること。さらに、部品数を減らしながらも、ディティールを省略したり、精密感を損なうことなくパーツ分割や、構成が考えられているのも「艦NEXT」シリーズの凄いところです。スライド金型を併用し分割線を目立たなくするなどの工夫もされています。

フジミ模型の担当者によれば、シリーズのスタートは「艦これ」が流行る前ということ。「弊社では以前から、精密な艦船プラモを展開していましたが、部品が細かく、パーツ数も多いため、最後まで組み立てられずにあきらめてしまう方も多くいらっしゃいました。このままでは艦船プラモ人口が減少してしまう。そんな危機感もあり、誰にでも組み立てやすい艦船モデルをシリーズ化したい、という単純な動機から始まりました」と、開発の理由を教えてくれました。

少年時代に味わった模型作りの醍醐味もたっぷり

塗装がいらないので換気などをしなくてもにおいが気になりませんし、パーツをはめこんでいけばいいのでストレスもありません。ただ、作る側の視点で一つ付け加えるとしたら、簡単ではありますが、細かいパーツが多く、各パーツが精密に設計されていますから、多少時間はかかります。でも、実はここが「艦 NEXT」の味だと思います。パーツをはめこんで小1時間で完成するようなものでは、自分で組み立てるプラモデルの醍醐味が楽しめないからです。面白いのは、進めていくうちに少年時代の勘を取り戻すことでしょうか。指が現役時代のように勝手に動き始めたら完成は間近です。工具は、パーツのバリをとるニッパーと、ピンセットがあればOK。個人的にはハズキルーペが役立ちました。秋の夜長や、週末のホビーにぴったりです。
「艦 NEXT」シリーズにはさまざまな艦船をラインナップしているため、いざ作るとなると、どれにするか迷うところです。今回はモチベーションがあがりそうな、3項目から、おすすめのモデルを紹介します。

●ネームバリューで選ぶなら


1/700スケール
艦NEXT NO.1 日本海軍戦艦 大和
4104円(税込)

日本海軍史上最大の戦艦で、軍艦としては最もポピュラーな存在です。完成型がイメージしやすいこともあり、モチベーションがあがるのではないでしょうか。このモデルは後期型をもとにモデル化したもので、主砲の46センチ砲もリアルに再現されています。完成サイズの全長は約40cm。部屋に飾ると見ごたえも十分です。

【次ページに続きます】

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