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日本画壇の実力派たちによる「知られざる傑作」33点が足立美術館で展観中

文/編集部

かつて国内外で高い評価を受けながら、今日では一般の人にあまり知られていない日本画家が少なくありません。そんな実力派の画家たちによる知られざる名画に焦点を当てた展覧会『発見!隠れた名画 知られざる日本画との出会い』が、島根県安来市の足立美術館で開催されています(~2018年2月28日まで)。

明治後期から昭和初期に活躍した山元春挙(やまもと・しゅんきょ、1871~1933)も、そうした画家のひとりです。春挙は近代日本画の巨匠・竹内栖鳳(たけうち・せいほう)とともに、京都画壇の重鎮として活躍。明治天皇に愛された画家としても知られ、フランス政府から優れた芸術家として勲章も授与されています。

春挙は雄大な風景画を得意とし、なかでも晩年の傑作として知られるのが『瑞祥(ずいしょう)』です。古代中国の神仙思想に基づく蓬莱仙境を表現したこの作品は、透明感のある筆致で空や水、山々が写実的に描かれ、人物の描写は緻密にして繊細。春挙ならではの崇高な幽玄さを感じさせます。

山元春挙『瑞祥』:昭和6年、絹本彩色、二曲一双屏風、各213.7×224.8㎝、足立美術館蔵

また、高名な日本画家が描いた作品でありながら一般に知られている画風とは異なるため、あまり世に知られてない名画も多々あります。そのひとつが、川端龍子(かわばた・りゅうし、1885~1966)の『春雪譜(しゅんせつふ)』です。

龍子は繊細巧緻な画風が主流だった昭和初期の日本画壇に挑むかのように、奇抜で大胆、豪放な大画面の作品を次々と発表しました。そうした龍子の作品と比較して、とりわけ異彩を放っています。春の到来を告げる雪解けを描いた静謐な作品で、雪肌の優しい筆触と、溶け残る雪のシャープな線の対比がじつに印象的です。

川端龍子『春雪譜』:昭和8年、絹本彩色、二曲一隻屏風、168×167㎝、足立美術館蔵

そのほか、優美で豊かな色彩の花鳥画で高く評価された今尾景年(いまお・けいねん、1845~1924)の『春園雙孔雀図(しゅんえんそうくじゃくず)』(明治34年、絹本彩色・軸装、168×85㎝、足立美術館蔵)、明治33年(1900)のパリ万国博覧会で、横山大観(よこやま・たいかん)や栖鳳を抑えて金牌を受賞するなど、海外で高く評価された大橋翠石(おおいし・すいせき、1865~1945)の『虎』(明治32年頃、絹本彩色・額装、140×153.6㎝、足立美術館蔵)、動物画で知られる橋本関雪(はしもと・かんせつ、1883~1945)が洋犬を描いた珍しい作品『唐犬図(とうけんず)』(昭和16年頃、絹本彩色・二曲一双屏風、各164×183㎝、足立美術館蔵)なども展示されています。

さらに、同館の隠れた名画と称される榊原紫峰(さかきばら・しほう、1887~1971)の『雪中白鷺之図(せっちゅうしらさぎのず)』と『墨梅(ぼくばい)』(昭和41年頃、紙本墨画・軸装、52.2×32.8㎝、足立美術館蔵)も見逃せません。

榊原紫峰『雪中白鷺之図』:大正13年頃、絹本彩色・軸装、155.5×57.2㎝、足立美術館蔵

足立美術館の所蔵品から、26人の実力派の画家による33点の名画を揃えた本展覧会は、日本画の新たな魅力を発見できる好機です。ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。

【開催概要】
冬季特別展『発見!隠れた名画 知られざる日本画との出会い』
■会期:2017年12月1日(金)~2018年2月28日(水)
■会場:足立美術館(島根県安来市古川町320) 本館・大展示室
■電話番号:0854・28・7111
■開館時間:9時~17時(入館は閉館の15分前まで)
■休館日:会期中無休
■入館料:2300円
■ウェブサイト:www.adachi-museum.or.jp

※記事中の画像写真の無断転載を禁じます。

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