ワシとタカ、見分ける3つの究極ポイント
「大きいのがワシ、小さいのがタカ、でも例外はたくさんある」ということでは、納得できない人がいるかもしれません。そんな人のために、ワシとタカの違いについて、わかりやすく見た目の差、もっとも注目すべき3点をあげてみましょう。
(1)タカは尾が扇状に広がっているものが多いのですが、ワシの尾は直線状で、外側には広がっていません。
(2)タカには独特の鷹斑(たかふ)と呼ばれる模様がありますが、ワシは入っていません。
(3)ワシは羽ばたいて飛ぶように見えますが、タカはめったに羽ばたかず、気流に乗って飛びます。
以上、大きさの違いプラスこの3点で、ワシとタカの違いを見分けていただけます。納得いただけましたでしょうか。
ついでに、日本ではワシとタカ以外にも、トビ(トンビ)やハヤブサといった猛禽類を観察することができます。トビはピーヒョロロと独特の鳴き声で空中に円を描くように飛ぶのが最大の特徴で、ワシとタカの中間ぐらいの身体の大きさ。ハヤブサはタカより小型で、体長30~50㎝程度です。
大きさ順にワシ・トビ・タカ・ハヤブサの順となります。私は試験勉強の語呂合わせで「儂(わし)が飛び(トビ)たか(タカ)ったのはハヤブサ」と覚えました。
実は2012年から鳥の分類が変わり、ハヤブサが、タカよりもインコの仲間へと変わってしまいました。インコ好きにとっては仲間が加わり、ひときわ可愛らしく感じられるから不思議です。このハヤブサは、現在、井の頭自然文化園にて飼育展示されています。ぜひ実物を観察してみて下さい。
文/柿川鮎子
明治大学政経学部卒、新聞社を経てフリー。東京都動物愛護推進委員、東京都動物園ボランティア、愛玩動物飼養管理士1級。著書に『動物病院119番』(文春新書)、『犬の名医さん100人』(小学館ムック)、『極楽お不妊物語』(河出書房新社)ほか。