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寺田寅彦が科学者の心構えについて綴った言葉【漱石と明治人のことば201】

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今年2017年は明治の文豪・夏目漱石の生誕150 年。漱石やその周辺、近代日本の出発点となる明治という時代を呼吸した人びとのことばを、一日一語、紹介していきます。

【今日のことば】
「科学者は眼前に現われる現象に対して言わば赤子のごとき無私無我の心をもっていなければならない。止水明鏡のごとくにあらゆるものの姿をその有りのままに写すことができなければならない」
--寺田寅彦

天災は忘れた頃にやってくる--そんな警句を発したともいわれる物理学者の寺田寅彦は、夏目漱石の最古参の弟子のひとりであった。漱石が英語教師として赴任した熊本五高の教え子であり、試験に失敗して落第しそうな同級生のための配慮を陳情するため漱石の自宅を訪ねたことから、師弟の深い交流がはじまっていく。

寅彦の詠んだこんな短歌がある。

「俳句とはかかるものぞと説かれしより天地開けて我が眼に新」

試験に失敗した同級生のため漱石邸を訪問したこの日、寅彦はひと通りの陳情を終えたあと、「俳句とは一体どんなものですか?」と漱石に尋ねた。漱石はこれに対し、こう答えた。

「俳句はレトリックの煎じ詰めたものである。扇のかなめのような集注点を指摘し描写して、それから放散する聯想(れんそう)の世界を暗示するものである」

こんな対話から寅彦は、何か目を開かれたように感じた。自分も俳句をやってみたいと思い、自作の句をつくっては漱石の家へ足しげく通うようになった。そんな日々の中で、俳句以外にもさまざまな薫陶を受ける場面があったのだろう。以降、寅彦は、漱石を「生涯の師」として慕いつづけたのである。

掲出のことばは、寺田寅彦が随筆『「手首」の問題』の中に綴ったことば。つづけて、寅彦はこうも記している。

「武芸の達人が夜半の途上で後ろから突然切りかけられてもひらりと身をかわすことができる、それと同じような心の態度を保つことができなくては、瞬時の間に現われて消えるような機微の現象を発見することは不可能である。心に私がなく、言わば『心の手首』が自由に柔らかく弾性的であることが必要なのではないか」

寅彦はこの随筆で、弦楽器の演奏やゴルフ、野球などで手首の柔らかな使い方が重要だという事象から書き起こし、「譬喩(ひゆ)的な手首の問題」として話を科学者の態度へ展開している。

科学の研究に取り組む者が自我にとらわれて硬直化し、心眼をくもらせると、大事なことを見逃してとんでもない失敗をする恐れがある。演奏家やスポーツマンが手首を柔らかく保つごとく、「心の手首」を柔らかくし「無私無我」を貫かねばならないと述べるのである。

漱石の教えは、寅彦を通じて、科学の世界にもしっかりと根を張っていたのである。

文/矢島裕紀彦
1957年東京生まれ。ノンフィクション作家。文学、スポーツなど様々のジャンルで人間の足跡を追う。著書に『心を癒す漱石の手紙』(小学館文庫)『漱石「こころ」の言葉』(文春新書)『文士の逸品』(文藝春秋)『ウイスキー粋人列伝』(文春新書)『夏目漱石 100の言葉』(監修/宝島社)などがある。2016年には、『サライ.jp』で夏目漱石の日々の事跡を描く「日めくり漱石」を年間連載した。

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