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自分史づくりの第一歩「一枚自分史」書くポイント4つ【気軽に書ける自分史講座1】

写真・文/柳澤史樹

みなさんは自分の人生の軌跡を「自分史」という作品にして振り返ってみたい、または残しておきたい、と思ったことはありませんか?

この自分史という言葉は、歴史学者の色川大吉氏が1975年の自著『ある昭和史』(中公文庫)で初めて使ったとされています。「偉人や有名人の自伝や伝記ではなく、庶民の歴史、個人史を記した自分史は、当人にとってかけがいのない“生きた証”であり、無限の想い出を秘めた喜怒哀歓の足跡なのである」というのが、色川氏の「自分史」の定義です。

それ以後、今日にいたるまで、自分史についてのセミナーも多数開催され、出版社や新聞社による出版事業を通して、シニア層を中心に年間数千冊が出版されたりするまでになりました。

自分に向き合い、世界に一つだけのあなただけの自分史を作ることは、混沌とした現代を前向きに生きるためのマストアイテムです。

そこで今回から数回にわたって、自分史活用推進協議会認定の「自分史活用アドバイザー」である筆者が、サライ世代のみなさんを対象に、自分史について知り、楽しみながら書くためのコツをお伝えします。

■まずは「一枚自分史」からチャレンジ!

さて「じゃあひとつ自分史でも書いてみるか!」と思っても、イザとなるとどこから何をすればいいのかわからないのではないかと思います。

そこでオススメなのは「一枚自分史」。これは読んで字のごとく、1枚の写真をもとにストーリーを書き起こしてみるという手法です。

とはいえ、これも立派な自分史。これが積み重なっていけば、やがては一冊の自分史ができあがりますし、年齢を問わずにできるのでご家族でやってみるのもいいですね。

そこで「一枚自分史」を書くための4つのポイントを紹介します。

■ポイント1:写真の情報を「5w」で整理する

まずは自分が見つけた1枚の写真について、必要な情報を「5w」で整理し、メモすることからはじめます。5Wとは、

・when (いつ):何歳ごろの写真?季節は?時間は?
・where(どこで):場所はどこですか?どんな場所?
・who(だれが):写っているのはだれ?撮ってくれたのは?どんな人?
・what(なにが):人以外に写っているものはなに?所持品や服装、町並みは?
・why(なぜ):その写真を撮った理由は?何のイベント?

の5つです。他者に説明するうえで、これらの要素を文章のなかにどう織り込むかも見せどころです。

■ポイント2:時代と絡める

写真が撮られた時代背景などを確認し、自分の生きた時代とリンクさせて語ることで、歴史的な意味合いが生まれてきます。

写真をみながら、事件、流行歌、ファッション、テレビや映画など、その時代にあったことを思い出してみてください。今ではネットでも記憶が繋がり、いろいろな情報が立体的になってきます。

例えば私が生まれた1968年は司馬遼太郎氏の『竜馬がゆく』が発売になった年。その作品を読んだのは発売後20年以上も経ってからと考えると、名作の価値とはどれだけすごいものなのか、という思いが湧いてきます。

また30歳のとき、1998年は長野五輪が開催。スキー団体で日本が金メダルを取った最後の船木選手のジャンプがありありと浮かび、感動が蘇ってきます。

こんなふうに、当時の社会事象を自分の人生とリンクさせることで、生まれる思いを文字にしていくのです。これは私も実際にやってみて、とてもおもしろかった手法です。

※参考リンク:「ジブン・ニッポン・ヒストリー」
http://kazokuisan.jp/top/search

■ポイント3:心情を紐解く

写真を撮ったときの心情を紐解いてみましょう。つまり写っている人の気持ちはどうだったのか、その写真を見てどんな気持ちが浮かぶのか、また写真の頃の自分にどんな言葉をかけてあげたいか、といったことですね。

ここで注意するのは、心情理解は自分なりの解釈でよい、ということ。読む人に、写真を通じて伝えたい思いを、ことばにしてみてください。

■ポイント4:五感をはたらかせる

ポイント3の「心情」もそうですが、「目に見える情報」と「目に見えない情報」を掛け合わせることで、単なる事実ではない、作品としての深みが生まれます。

その写真を撮ったときの温度、味、音、香りなど、写真を見ることで感じたものが言葉として出てくるかもしれません。

*  *  *

以上、自分史作成の第一歩となる「一枚自分史」を書くための4つのポイントを紹介しました。まずはこの4つのポイントに基いて情報を整理し、一枚の紙に好きなように書き出してみましょう。

文字数に制限はありませんが、最初ですから、肩の力を抜いて好きなように書くほうが長続きするコツです。またせっかく出来上がった作品は、人に読んでもらうことが最終目標ですから、長すぎると読む方も大変です。

ちなみに、4月に横浜で開催された「自分史フェスティバルin 横浜」では、なんと100枚もの一枚自分史が掲示され、それはそれは圧巻でした。時代も場所も風景も異なる1枚の写真に、それぞれ作者の思いが込められたものを読むと、これまで過ごした時の重みがしっとりと伝わってきました。

100枚の「一枚自分史」

盛況だった「自分史フェスティバルin 横浜」

さて「気軽に書ける自分史講座」の1回目、いかがでしたでしょうか。

今後は「一枚自分史」以外にもあるさまざまなスタイルの自分史や、細かいテクニックなどを含めお伝えしていこうと思います。みなさんが書いてくれた自分史を、いつかどこかで聞かせていただきたいなあ、とひそかに楽しみにしています。

【自分史活用アドバイザーについてのお問い合わせ】
自分史活用推進協議会
公式サイト/http://jibun-shi.org/

写真・文/柳澤史樹
フリーライター/ 自分史アドバイザー。歴史を楽しむ情報サイトや企業ファンサイトのマネージメント、ビジネスコンセプトやコピーの執筆、多数の著名人取材などの他、現在は一般社団法人 自分史活用推進協議会認定 自分史活用アドバイザーとして、個人の軌跡を残す「自分史」を活動の軸とする。2016年暮れ、地元横浜から相模原市緑区へ引越し、農的暮らしと執筆生活の両立へシフトチェンジ中。

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