国のまほろば、たたなづく青垣――。サライ世代にとって「奈良」は歴史ロマンあふれる特別な場所だろう。『サライ』本誌でも、奈良大和路の古寺や旅情報はくりかえしご紹介してきたが、魅力はつきない。
そんな奈良大和路の歴史・文化を紹介することを目的に、近鉄グループホールディングスが開催している年度会員制の文化講座が「大和文化会」である。
そもそもは昭和15年、近鉄の前身である大阪電気軌道と参宮急行両社の東京出張所(現・東京支社)が大和の歴史地理を勉強する「通俗地理歴史会」を発足させたのが発端で、昭和22年に名称を「大和文化会」に改称し、現在に至っている。
毎年4月に開講。翌年の3月までの1年間にのべ10回にわたる文化講演会が開かれ、現在活躍中の歴史学、考古学、美術史、文学などの専門家が登壇して、それぞれの専門領域に関しての講演を行う。
この4月に開講となる平成29年度の年間テーマは「大和を学ぶ」。東京・銀座にある「銀座ブロッサム」中央区中央会館を会場に、以下のような講座が予定されている。
■第1回
『 平城宮は何故そこにあるのか-宮地選定の謎を探る-』
講師:来村 多加史(阪南大学教授)
開講日:4月1日(土)
■第2回
『纒向大王宮と三輪の神』
講師:寺澤 薫(纒向学研究センター所長)
開講日:5月13日(土)
■第3回
『景初3年・景初4年・正始元年と暦法-踰年改元をめぐって- 』
講師:菅谷文則(奈良県立橿原考古学研究所 所長)
開講日:6月10日(土)
■第4回
『大和郡山城天守の謎 -豊臣の象徴から徳川の権威へ- 』
講師:千田嘉博(奈良大学教授)
開講日: 7月1日(土)
■第5回
『邪馬台国の成立と漢・楽浪郡』
講師:千田稔(奈良県立図書情報館 館長)
開講日: 7月29日(土)
■第6回
『蘇我氏の葬地空間と造墓理念-飛鳥地域の後・終末期古墳の最新動向- 』
講師:西光 慎治(明日香村教育委員会文化財課)
開講日: 9月2日(土)
■第7回
『正倉院宝物にみる天平美-「正倉院展」展示品の紹介をかねて- 』
講師:関根 俊一(奈良大学教授)
開講日: 9月23日(土)
■第8回
『藤原仲麻呂の夢 -奈良朝の政界を牛耳った策士-』
講師:瀧浪 貞子(京都女子大学名誉教授)
開講日:10月15日(日)
■第9回
『猪熊家が学んだ大和の歴史と文化-曽祖父,祖父,父と私 四代の研究成果-聖蹟、太占、仏頭、大和萬歳、キトラ古墳』
講師:猪熊 兼勝(京都橘大学名誉教授)
開講日:12月 2日(土)
※第10回は未定。
以上、平成29年度の「大和文化会」の講座のラインナップをご紹介した。いずれも魅力的なテーマである。
現在、新規会員を募集しているという。関心のある方は、いちど問い合わせてみてはいかがだろうか。
【平成29年度「大和文化会」会員募集の概要】
■対象期間:平成29年4月~平成30年3月まで(1年間)
■会場:「銀座ブロッサム」中央区中央会館(東京都中央区銀座2-15-6)
■アクセス:東京メトロ有楽町線新富町駅1番出口から徒歩1分
■年会費: 一人9,000円(税込み)
■募集人員: 900名(平成28年度会員からの継続者を含む)
※申込み先着順につき、定員になり次第締め切りとなる。
■申込み方法:下記まで電話で申し込み
「大和文化会 公開講座」係
電話:03-3212-2051(平日9:10~18:00)
【大和文化会についてのお問い合わせ】
大和文化会事務局
電話:03-3212-2051 ※平日のみ対応(9:10~18:00)
文/編集部