最近、パソコンやスマートフォンの普及により、⾃ら字を書く機会はめっきり減少してきました。その影響からか「読める、けれども、いざ書こうとすると書けない漢字」が増えていませんか? 以前はすらすらと書けていたのに、と書く⼒が衰えたと実感することもあります。

この記事を通じて、読むこと・書くこと・漢字の意味を深く知り、漢字の能⼒を⾼く保つことにお役⽴てください。

「脳トレ漢字」今回は、「秋秋」をご紹介します。秋の夜長に読み書きをしながら、漢字への造詣を深めてみてください。

「秋秋」は何と読む?  

「秋秋」の読み方をご存じでしょうか?  

正解は……
「しゅうしゅう」です。

『新選漢和辞典Web版』(小学館)では「鳥などの飛びかい舞うさま」とあります。

現代では「しゅう」と発音しますが、歴史的には「しう」という読み方もありました。この漢字は、鳥などが飛びかい舞うさまを表現する美しい表現です。

「秋秋」の由来

この「秋秋」という表現は、漢字の意味から直接生まれたというよりは、音を表す言葉に漢字を当てた「擬音語」と考えるのが自然です。また、例えば、風が強く吹く音を「颯颯(さつさつ)」と書くように、同じ漢字を重ねることで動作の反復や継続を表す中国古典の表現技法に由来するという説もあります。

「しゅうしゅう」という響きが、鳥の群れが羽ばたきながら空を舞う様子や、あるいは秋風に木の葉が舞い散る様子を連想させます。その音と情景に、季節を象徴する「秋」という漢字を当てたのではないでしょうか。

秋の高く澄んだ空を、渡り鳥の群れが「しゅうしゅう」と舞いながら過ぎていく……なんとも詩的な光景が目に浮かぶようです。

環境保護としてのバードウォッチング

現代でも、バードウォッチングは多くの人に愛される趣味の一つです。特に秋の渡りの時期は、普段見ることのできない珍しい鳥たちに出会うチャンスでもあります。都市部でも公園や河川敷では、様々な鳥たちが飛び交う姿を観察することができます。

また、最近では環境保護の観点から、鳥類の生態系保護にも注目が集まっています。渡り鳥の飛行ルートを守ることは、地球環境を考える上でも重要な課題となっているのです。

古人が「秋秋」という美しい表現で表した鳥たちの舞いは、現代においても私たちの心を癒やし、自然の大切さを教えてくれる貴重な光景といえるでしょう。

***

いかがでしたか? 今回の「秋秋」のご紹介は皆様の漢字知識を広げるのに少しはお役に立てたでしょうか? 秋空を舞う鳥たちの美しい姿を思い浮かべながら、古人の豊かな表現力に思いを馳せてみてください。

来週もお楽しみに。

●執筆/武田さゆり

武田さゆり

国家資格キャリアコンサルタント。中学高校国語科教諭、学校図書館司書教諭。現役教員の傍ら、子どもたちが自分らしく生きるためのキャリア教育推進活動を行う。趣味はテニスと読書。

●構成/京都メディアライン・https://kyotomedialine.com

 

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