最近、パソコンやスマートフォンの普及により、⾃ら字を書く機会はめっきり減少してきました。その影響からか「読める、けれども、いざ書こうとすると書けない漢字」が増えていませんか? 以前はすらすらと書けていたのに、と書く⼒が衰えたと実感することもあります。

「脳トレ漢字」の記事を読みながら漢字の読み書きをすることで、脳のトレーニングとなります。また、この記事を通じて、読むこと・書くこと・漢字の意味を深く知り、漢字の能⼒を⾼く保つことにお役⽴てください。

今回の「脳トレ漢字」は、「詩歌」をご紹介します。そのまま「しか」とも読めますが、別の読み方もあります。実際に読み書きなどをしていただき、漢字への造詣を深めてみてください。

「詩歌」とは何とよむ?

「詩歌」の読み方をご存知でしょうか? 「しか」だけでなく……

正解は……
「しいか」です。

『小学館デジタル大辞泉』では、「漢詩と和歌。」「詩・和歌・俳句など韻文の総称。」と説明されています。そのまま「しか」と読まれることもありますが、慣用読みで「しいか」と読まれることも多いです。古来より、強調表現などのために使われていた長音の発音が、そのまま文字化されたのではないかと考えられています。

「詩歌」の漢字の由来は?

ここで使われている「詩」は漢詩のことを指し、「歌」は和歌や俳句のことを指します。これら韻文の総称という意味で、「詩歌」と表記されるようになったと考えられます。

菅原道真の和歌

東大寺の「お水取り」が終わり、春の訪れを感じられる時期となりました。春にちなんだ和歌はたくさん残されていますが、そのうちの一つとして、「東風(こち)吹かば 匂ひおこせよ 梅の花 あるじなしとて 春な忘れそ」という歌が挙げられます。

これは、学問の神様として知られる菅原道真(すがわらの・みちざね)の歌です。現代語訳すると、「春が来て東の風が吹いたら、その香りを私のもとまで届けておくれ、梅の花よ。主人がいないからといって、春を忘れてはいけないよ。」という意味になります。

学者でありながら、政治面でも頭角を現したとされる、菅原道真。時の天皇からの信任を得て、右大臣に任命されますが、そのことをよく思わなかった左大臣・藤原時平(ふじわらの・ときひら)たちの策略により、大宰府へと左遷されてしまったのです。

この和歌は、大宰府に赴くことになった道真が、自宅の庭に咲く梅の花を見て詠んだ歌であるといわれています。一見すると、春らしい穏やかな和歌ですが、その背景を知るとしみじみと感じるものがありますね。

***

いかがでしたか? 今回の「詩歌」のご紹介は、皆さまの漢字知識を広げるのに少しはお役に立てたでしょうか? 色とりどりの花が咲く季節となりましたが、見る人によって感じ方は様々ですね。

花を見ながら、今の気持ちを和歌にしてみるとより楽しめそうですね。

文/とよだまほ(京都メディアライン)
HP:https://kyotomedialine.com FB

参考資料/『デジタル大辞泉』(小学館)
『日本国語大辞典』(小学館)
『日本大百科全書』(小学館)

 

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