正しい意味を理解し、適切に漢字が使えているのか、疑問を感じることが増えていませんか? 適当に漢字を使ってしまい、気付かないところで「恥をかいている」ということがあるかもしれませんね。
Google 先⽣やデジタルデバイスの出現により、便利になった反⾯、情報の中⾝については⼗分な吟味が必要な時代になっております。あなたの“漢字の知識”は確かでしょうか? もう⼀度、確認しておいてもいいかもしれません。
「脳トレ漢字」第233回は、「焚べる」をご紹介します。使われている漢字をよく見ると、読み方が分かるかもしれません。実際に読み書きなどをしていただき、漢字への造詣を深めてみてください。
「焚べる」とは何とよむ?
「焚べる」の読み方をご存知でしょうか? 「たきべる」ではなく……
正解は……
「くべる」です。
『小学館デジタル大辞泉』では、「燃やすために火の中に入れる。」と説明されています。火を絶やさないために燃料を入れるという意味で、「薪を焚べる」「石炭を焚べる」などのように使います。「焚べる」とは別に、「焼べる」と表記されることもあるそうです。
なお、正式に辞書に記載されているのは「焼べる」の方なので、「焚べる」は当て字であると考えられています。
「焚べる」の漢字の由来は?
「焚き火(たきび)」にも使われている「焚」。その見た目通り、「野や山を焼く」「燃やす」という意味が含まれています。元々使われていた「焼」にも同じ意味があるため、派生して使われるようになったのかもしれません。
日本で有名な海外の民謡
燃やすために燃料を入れることを指す「焚べる」。火が燃え盛る様子は、何となくキャンプファイヤーを連想させますね。キャンプファイヤーをする時に歌う定番として、『燃えろよ燃えろ』が挙げられるのではないでしょうか?
世代を問わずよく知られている曲ですが、実は日本の歌ではなく、フランス民謡をベースに作られた歌だそうです。日本で歌われている童謡や唱歌の中には、海外発祥のものが多くあります。
例えば、閉店のBGMとして知られている『蛍の光』はスコットランドの民謡が原曲で、卒業式でよく歌われる『仰げば尊し』は、長らく作曲者は不詳でしたが、2011年に原曲とみられるアメリカの歌の楽譜が発見されたそうです。また、代表的な童謡ともいえる『むすんでひらいて』はフランス発祥の曲で、作曲したのはフランス革命にも影響を与えた思想家、ジャン=ジャック・ルソーです。
どのような経緯で伝わったのかは不明ですが、海外発祥の曲が日本を代表する唱歌になっているのは面白いですね。
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いかがでしたか? 今回の「焚べる」のご紹介は、皆さまの漢字知識を広げるのに少しはお役に立てたでしょうか? 日本発の曲といえば、坂本九の『上を向いて歩こう』が、海外では『スキヤキ』というタイトルで広く知られている例が挙げられますね。
海外発祥の名曲はほかにもたくさんあるので、ぜひ原曲を調べてみてください。
文/とよだまほ(京都メディアライン)
HP:https://kyotomedialine.com FB
参考資料/『デジタル大辞泉』(小学館)
『日本国語大辞典』(小学館)
『日本大百科全書』(小学館)