高品質の音響設備でレコードが刻む豊かな音楽を堪能する贅沢な時間……。日本独特の文化を心ゆくまで体験できる、大阪の名店を紹介する。
「古き良き日のレコード音楽のあった喫茶店」を再現
商業ビル1階のくぐり戸を抜けて3階に上がると、そこは周辺の喧騒が嘘のような「古き良き日のレコード音楽のあった喫茶店」が再現されている。『レコード喫茶Graffiti(グラフィティ)』は大阪・なんばの繁華街にある。店内にはクラシック以外の邦楽や洋楽の様々なレコードジャケットが飾られ、ひとつひとつに見入ってしまいそうになる。
「’80年代のシティ・ポップのブームもあり、20歳代が増え、この店独特の世界観を楽しんでいます」と話すのは、店を任されている段志佳(だんしか)さん。昔を懐かしむ世代と若い世代が目を輝かせている。
店内でひときわ存在感を示すのが、ドイツ・アヴァンギャルドのホーン型ラウンドスピーカーである。客のリクエストに応えて次々とかかるロックやポップス、フォークなどを、鮮明で躍動感のある響きで美しく再生。洋画の新作映画のサウンドトラックのレコードもあり、臨場感もたっぷりだ。
さらにプレミアム会員制度が用意され、レコードの持ち込みやリクエスト料金の割引、レコード保管ボックスレンタルなどの特典がある。自分のオーディオルームのように利用でき、お気に入りの曲に浸れる。
レコード喫茶 Graffiti
大阪市中央区難波3-7-4 和讃ビル3階
電話:06・6631・5885
営業時間:12時〜18時
定休日:月曜〜木曜
交通:地下鉄御堂筋線なんば駅から徒歩約5分
57席
取材・文/関屋淳子 撮影/奥田高文
※この記事は『サライ』2023年6月号より転載しました。