ドラッグストアで陳列されていて、よく目にする漢方薬。「苦いけど体によさそう」「葛根湯は知っているけど……」など、「そもそも漢方ってどんなもの?」と思っている人も多いのではないでしょうか。
そんな基本的な漢方に関する疑問や基礎知識を、漢方の専門家にわかりやすく解説してもらいます。第90回のテーマは、「のどの痛みに『甘草湯(かんぞうとう)』の飲み方」です。あんしん漢方(オンラインAI漢方)の薬剤師、碇 純子さんに教えてもらいました。
甘草湯とは?
甘草湯は、マメ科のカンゾウの根を乾燥させた甘草という生薬のみで構成されている漢方薬です。
甘草湯の効能・効果や基本の飲み方を解説します。
1.効能・効果
甘草湯は、炎症に対する効能があります。のどの痛みやせき、口内炎などにも対処できます。
2.基本の飲み方
甘草湯は、食前(食事の約30分前)、もしくは食間(食後約2時間後の空腹時)に水またはぬるま湯で服用します。
用法用量は守り、正しく服用しましょう。もし飲み忘れたときは、気付いた時点で1回分を飲み、次の服用までは、1日3回の場合は4時間以上、1日2回の場合は6時間以上空けてください。2回分以上をまとめて服用するのは避けましょう。
甘草湯はどんな人におすすめ?
甘草湯がおすすめな人や、具体的な悩みを3つ挙げ、それぞれなぜ効果的なのかを解説します。
1.のどの痛み
甘草湯には、のどの粘膜を潤す消炎作用や、鎮痛作用があります。急な痛みにも効きやすく、咽頭の痛みを抑え、軽減してくれるはたらきがあります。
発熱をともない、のどが赤く腫れる場合は「銀翹散(ぎんぎょうさん)」のほうが適している場合もあります。
2.はげしいせき
甘草湯には、せきを抑える鎮咳効果があり、せき症状に適しています。つらくはげしいせきや、むずむず感があるときにおすすめです。
3.声のかすれやしわがれ声
声のかすれは、声帯の炎症により引き起こされます。甘草湯は、のどを潤し、声のかすれやしわがれ声に対してアプローチできます。
甘草湯に副作用はある? 安心して服用するには
甘草湯は、アルドステロン症、ミオパシー、低カリウム血症などの病気を悪化させる可能性があるため、服用の際は気をつける必要があります。
また、甘草を含むほかの漢方薬との併用も注意しましょう。甘草を含む製剤や、グリチルリチン、利尿剤などを服用する際は、医師や薬剤師に相談してください。
甘草湯に限らず、漢方薬を使用する際は、体質との相性が非常に重要です。体質と相性が合わない漢方薬を飲み続けると不調が改善されるどころか、悪化してしまう場合もあります。
また、漢方薬は西洋薬に比べ副作用のリスクが低いといわれるものの、絶対に起こらないというわけではありません。漢方薬を正しく服用するには、漢方の知識をしっかり備えた医師や薬剤師などのプロに相談しましょう。
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のどの痛みやせきを緩和する便利な甘草湯
甘草湯は、のどの痛みのケアを中心に、せきやしわがれ声を緩和できる漢方薬です。その反面、生薬である甘草は多くの漢方薬や市販の西洋薬に含まれるので、重複には注意が必要です。
さて、次回は「風邪かな? と思ったら『麻黄湯(まおうとう)』」です。ぜひご覧ください!
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