
車の白、黒系のボディカラーはリセールバリューが高いということもあって、以前から人気色。これまで白や黒じゃつまらないと思い、赤や黄色やいろんなボディカラーの車に乗ってきたけれど、今乗っている車は私もホワイト系。乗ってみるとホワイト系も悪くない。白や黒系はいろんな場面にスッと似合うし、装いにも幅広く対応してくれる。でも近ごろまた色味が欲しくなってきた。とくに特別なカラーを身にまとう車を街中で見かけると心が弾む。
特別なカラーはメーカーオプションや特別仕様車に用意されている。同じホワイトでもパールの光沢をまとった車は美しさが際立つし、光が当たる角度によって色味が変化するボディカラーもあり、見ていて飽きない。次の愛車は通常に用意されたカラーではなく、ちょっと珍しくそれでいて自分にとって心地よいカラーにしたいなとひそかに決めている。
そんな中、ネットのCMではっと心を掴まれたのがMINIクロスオーバーの特別仕様車、ミニ・クロスオーバー・アンテイムド・エディション(MINI Crossover Untamed Edition)だ。ボディカラーは特別仕様車専用のカラーでモンタム・グレーと名付けられた上品な雰囲気のあるグレー系、屋根はブラックと2トーン。組み合わされた専用ホイールのデザインも2トーン仕上げ。ヘッドライトやドアハンドルなど随所に取り入れられたピアノブラックも良いアクセントになっていて、エンブレムやエアインテーク部などは同じボディカラーで統一されているところも落ち着いた雰囲気を演出するのに貢献している。

普段使いはEV走行で、遠出はプラグインハイブリッドで楽しむ

MINIクロスオーバーは、MINIのラインアップの中でもっとも大きなボディを持つコンパクトSUV。2011年に4番目のMINIとして登場し、現在、ガソリンエンジン車、ディーゼルエンジンが搭載されているモデルと、MINIの中で唯一、プラグインハイブリッドモデルがある。今回紹介する特別仕様車は、プラグインハイブリッドが搭載されたMINIクーパーSE ALL4というグレードがベースになっている。
ドライブモードはガソリンエンジンと電気で効率よく走るAUTO eモードと、バッテリーを充電しながらガソリンエンジンだけで走るSAVEモード、電気だけで走るMAX eモードと3つある。

この3つの設定が中々面白い。ガソリンエンジンは前輪を駆動させているのでSAVEモードを選んだときはFF車、モーターは後輪を駆動させているのでMAX eモードはFR車になり、ガソリンエンジンとモーターで走るAUTO eモードはAll4、つまり4輪駆動車になる。それぞれのモードで走ってみたが「いま、FF車だ!」「FRが楽しい!」……というような走りの違いは正直なところわからなかったが、中央に設置されたミニコントロールディスプレイに駆動しているタイヤが色で表示されるのは面白かった。
とくにガソリンエンジンとモーターのいいとこ取りをしたAUTO eモードは、スタート時や加速時などパワーが必要なときはガソリンエンジンを使うので前輪が駆動している様子が映し出され、車側の判断で動力がモーターに切り替わり後輪が駆動する様子が画面に現れる。もちろん運転中はメーターを直視し続けるのは交通違反につながるのでご法度だが、ガソリンエンジンかモーターのみで走っているかはサウンドや体感で分かる。
電気モーターのみでも航続距離は約53キロ(WLTCモード)走るので日常のちょっとした買い物や送り迎えなどは電気のみで賄えてしまう日もあるだろう。日常使いはMAX eモードでEV走行をして、遠出するときはプラグインハイブリッドの醍醐味を堪能できるAUTO eモード、充電したいときはガソリンエンジンを使うSAVEモードを選ぶといった感じで、外出先にあわせて3つのモードを楽しみたい。
経験を重ねた大人たちに新しい世界を見せてくれる車

さて、今回の特別仕様車だが外観だけでなくドアを開けた瞬間もときめきを与えてくれる車だ。ドアを開けると自然からヒントを得たブルーとグリーンを基調としたインテリアが出迎えてくれる。グリーンのパイピングとブルーとグリーンのステッチがあしらわれている電動式MINI Yoursレザーラウンジシートは体をすっぽりと包み込む安心感があり、寝られるくらいに倒すことができる。これなら仮眠も運転席で充分にとれそうだ。様々な色に変更できるアンビエンスライトはアンテイムドのロゴが浮かび上がる仕掛け。アンテイムドのロゴは高品質のナッパ・レザーが使用されたステアリングホイールの下部にも配置されている。こういった上質で特別なインテリアが楽しめるのも特別仕様車ならではだ。

とにもかくにもアンテイムドの佇まいはとても上品で美しい。それでいて車内はどのシートに座っても安心感があり、とくに運転席は身をゆだねたくなるような包容力がある。見た目、座り心地、持っている性能、走らせた感覚は、経験を重ねた大人たちのライフスタイルに寄り添う要素が詰まっている。まだ行ったことがない場所へ旅に出かけてもいいし、キャンプを始めてもいい。これから先の人生に新しい冒険へと導いてくれそうなわくわく感を持ち合わせている車だ。

MINIクーパークロスオーバー SE ALL4アンテイムド・エディション
全長×全幅×全高 4315×1820×1595mm
ホイールベース 2670mm
最小回転半径 5.4m
車両重量 1770kg
エンジン:1498cc直3DOHC12Vターボ(プレミアム仕様)
最高出力:136ps/4400rpm
最大トルク:220Nm/1300〜4300rpm
モーター最高出力:88ps/4000rpm
モーター最大トルク:165Nm/3000rpm
システム最高出力:224ps
システム最大トルク:385Nm
WLTCモード燃費:14.8km/リッター
WLTC充電電力使用時走行距離:53.0km
トランスミッション:6速AT
駆動方式:4輪駆動(エンジンのみの場合FF車、モーターのみの場合FR車)
タイヤ&ホイール:225/50R18+アルミ
車両価格549万円
※特別仕様車の主な装備:
専用ボディカラー、専用18インチホイール、ブラックルーフ&ミラーキャップ、ブラックルーフレール、MINI ALL4エクステリア、ピアノブラックエクステリア、アンテイムド専用サイドスカットル、専用サイドストラップ、アンテイムド専用リアウインドステッカー、MINI Yoursレザーラウンジハイランドグリーン、インテリアサーフェスアンテイムドイルミネ―テッド、ナッパレザーステアリングホイール、アンテイムド専用フロアマット、アンテイムド専用ドアシルプレート、電動フロントシート(運転席メモリー機能付)、シートヒーター(フロント/左右)、ヘッドライナーアンスラサイト、マルチディスプレイメーターパネル、スマートフォンインテグレーション(Apple Car Play)、MINI Connected、リアビューカメラ、パーキングアシストパッケージ、ドライビングアシスト(前車接近警告機能、被害軽減ブレーキ、レーンディパ―チャーウォーニング機能)
文・写真/鈴木 珠美(すずき・たまみ)カーライフジャーナリスト・ゆるトレ講師
出版社勤務を経て独立。女性誌、ブライダル情報誌、動物雑誌で企画編集に携わる。女性のカーライフを応援する「beecar(ビーカー/https://www.beecar.jp/ )」の編集長。車、女性、生活、健康を軸にコンテンツ制作会社「オフィスタマ」を運営。運転疲れを軽減するストレッチの監修、テレビ・ラジオ出演、セミナー講師など幅広く活躍。
