歳をとるというのは厄介なものですよね。周りからは、年相応に物知りなどと思われたりして……。うっかり漢字の読み方なんか間違えたりしますと、とっても恥ずかしい思いをするなんてこともあるかもしれません。

脳の方は、若い時のようにパッパと記憶中枢からひっぱり出せなくなってきているかもしれませんが、「歳をとってきちゃって、なかなか思い出せなくて……」なんて言い訳をするようでは、サライ世代の沽券に関わる?

そんなことにならないように、動画を見ながら漢字の読み書きをすることで、脳のトレーニングとなります。

「脳トレ漢字」第118回は、「役務」をご紹介します。「役務の提供」といった言い回しを耳にしたことがあるのではないでしょうか。

この記事を通じて、読むこと・書くこと・漢字の意味を深く知り、漢字の能力を高く保つことにお役立てください。

「役務」はなんと読む?

「役務」という漢字、読み方に心当たりはありますか? そのまま読むと「やくむ」ですが……

正解は……
「えきむ」です。

『小学館デジタル大辞泉』では、「公的な仕事」と説明されています。また、「他の人のために行う労働」という意味も持ち、ビジネスにおいては主に「サービス」の文脈でこの語が使われます。土木工事、清掃、クリーニング、広告、仲介、興行、宿泊、飲食、出演、著述など、形のない財を与えること全てが「役務の提供」です。

「役務」の漢字の由来とは?

「役務」を構成する漢字を一文字ずつ見ていきましょう。「役」とは「官職、人の上に立つ地位」のことを、「務」は「仕事、職分」のことを意味しています。そのため「役務」は「公的な仕事」という意味です。

「役務」の他にも「役」を「えき」と読む言葉として、「使役(しえき)」や「労役(ろうえき)」などが挙げられます。こちらは「人民を強制して公用に使うこと」や「割り当てられた務め」といった意味合いが強い言葉です。熟語と一緒を考えると、字が持つ意味が掴みやすくなるのではないでしょうか。

「役役」とは何と読む?

「役」を使ったその他の難読漢字に「役役」が挙げられます。こちらは何と読むか、心当たりはありますか?

正解は「やくやく」もしくは「えきえき」です。「役役(やくやく)」とは「『役と』を強めた語」になります。「役と(やくと)」は「一つのことに専念するさま、もっぱら、ひたすら」を意味する古語です。また「役役(えきえき)」の場合は「苦心して努めるさま、労役して休まないさま」を指す言葉となります。

あまり日常で出会う言葉ではありませんが、こうした一風変わった読み方も一緒に覚えておきましょう。

***

いかがでしたか? 今回の「役務」のご紹介は皆さまの漢字知識を広げるのに少しはお役に立てたでしょうか? 普段の生活ではあまり使う機会がない言葉でも、いざというときのために頭の片隅に置いておきたいものですね。

来週もお楽しみに。

文/トヨダリコ(京都メディアライン)
アニメーション/貝阿彌俊彦(京都メディアライン)
HP:https://kyotomedialine.com FB

 

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