字画も少なく、しょっちゅう目にする簡単な漢字。読めそうなのに、いざ声に出して読もうとすると、正しく読めるかどうか心配になって、思わず声を細めてしまう漢字ってありませんか?
サライ世代ともなりますと、いったん思い込み認知をしてまった場合、なかなかイニシャライズ(初期化)が難しいですよね。簡単な漢字であっても、脳トレ漢字の動画を見ながら確認学習をしていただくことで、思い込み認知をイニシャライズできる機会になると思います。
「脳トレ漢字」第109回は、「十匹」をご紹介します。動物を「一匹、二匹…」と数えた時の十番目にあたる言葉です。
また、この記事を通じて、読むこと・書くこと・漢字の意味を深く知り、漢字の能力を高く保つことにお役立てください。
「十匹」はなんと読む?
「十匹」という漢字、読み方に心当たりはありますか?「じゅっぴき」と読んでしまいそうですが……
正解は……
「じっぴき」です。
動物などを数えるときに用いられる「十匹」という言葉。世間的には「十」を「じゅっ」と発音し、「じゅっぴき」と読まれる場合が多いですが、正しくは「じっぴき」です。
「十匹」以外に「十歳(じっさい)」「十本(じっぽん)」「二十世紀(にじっせいき)」なども、同じ読み方がされます。いずれも普段の生活では「じゅっ」と発音されがちですので、注意しましょう。
「十匹」の漢字の由来とは?
「十匹」を構成する漢字を一文字ずつ見ていきましょう。
「十」は「十番めの数」を意味し、「匹」は「動物を数える際に用いる語」です。常用漢字表での「十」の読み方は「じゅう・じっ・とお・と」の四種類とされます。ただ慣例的に「じゅっ」と読まれることから、平成22年の常用漢字表の改定で、補足として「じゅっ」の読み方が加えられました。しかし、あくまでも補足であるため、正式な読み方は「じっぴき」とされています。
「匹」と「頭」の違いとは?
「匹」以外の動物を数える単位として「頭(とう)」が代表的ですが、両者の使い分け方をご存知でしょうか? 犬や猫、キツネ、馬などは「匹」、熊や象、ライオンなどは「頭」… と感覚的に使い分けている方もいらっしゃるのではないでしょうか。基本的には、人間より小さい場合には「匹」を、大きい場合には「頭」を用いるとされています。
ちなみに、昔はどの動物も「匹」と数えていたとされます。「頭」が使われるようになったのは、明治以降です。西洋では、家畜を数える際に頭の数で確認していたことから、「Head(頭)」という語で数えていました。明治期にそうした西洋の文化が取り入れられ、日本語でそのまま「頭」と翻訳されたために「一頭、二頭…」という動物の数え方が定着していったとされます。
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いかがでしたか? 今回の「十匹」のご紹介は皆さまの漢字知識を広げるのに少しはお役に立てたでしょうか? 漢字の読み方は時代とともに変化していくもの。ニュースなどでアナウンサーの方が何と発音しているか、少し意識してみるのも面白いかもしれません。
来週もお楽しみに。
文/トヨダリコ(京都メディアライン)
アニメーション/鈴木菜々絵(京都メディアライン)
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