最近、パソコンやスマートフォンの普及により、自ら字を書く機会はめっきり減少してきました。その影響からか、「読めるけれども、いざ書こうとすると書けない漢字」が増えていませんか? 以前はすらすらと書けていたのに、と書く力が衰えたと実感することもあります。

動画を見ながら漢字の読み書きをすることで、脳のトレーニングとなります。また、この記事を通じて、読むこと・書くこと・漢字の意味を深く知り、漢字の能力を高く保つことにお役立てください。

「脳トレ漢字」第96回は、「栄螺」をご紹介します。「虫」という字が入っていますが、貝類を指しています。

脳トレ漢字の動画を見ながら“読んで書く”ことで、記憶力を鍛えながら、漢字への造詣を深めてみてください。

「栄螺」はなんと読む?

「栄螺」という漢字、読み方に心当たりはありますか? ヒントは、ある国民的アニメの主人公の名前です……

正解は……
「さざえ」です。

『小学館デジタル大辞泉』では、「リュウテンサザエ科の巻き貝。壺焼きなどで賞味される」と説明されています。貝殻はこぶしほどの大きさで、太いとげのような突起を持つものが多いです。肉は古くから塩漬けや寿司、壺焼きとして楽しまれています。

「栄螺」の漢字の由来とは?

「栄螺」を構成する漢字を一文字ずつ見ていきましょう。「螺」は「らせん状をした貝」を意味する漢字です。「栄(さかえ)」は「さざえ」に近い音なのでつけられたと考えられています。

では、なぜ「さざえ」という名前がつけられたのでしょうか? 語源は諸説ありますが、一つには貝殻を小さい家に見立てた「小家(ささえ)」から付けられたとされています。「小(ささ)」は「小さい」の意であり、「家(え)」は「家」という意味です。

また、「さざえ」は「栄螺」の他にも「拳螺」と書くことができます。大きくなった渦巻状の貝を表す「栄螺」という漢字表記に対し、「拳螺」の場合はその姿が渦巻状の“拳”のようであることから、この字が用いられています。

「螺」を使った難読漢字「法螺」とは?

「栄螺」で使われる「螺」という字は、「螺子(ねじ)」や「螺旋(らせん)」など、様々な読み方があります。その内の一つ、「法螺」は何と読むでしょうか?

正解は「ほら」です。「大げさなでたらめを言うこと」を意味する「法螺を吹く」という慣用句に登場する「法螺」は「法螺貝」のことを指します。大きな巻貝に穴をあけ、息を吹き込むことで、戦陣における合図などに用いました。

こうしてみると、「螺」が「栄螺」だけでなく、巻貝を総称する意味を持っていることがわかります。

***

いかがでしたか? 今回の「栄螺」のご紹介は皆さまの漢字知識を広げるのに少しはお役に立てたでしょうか? 3月~5月にかけて旬を迎える「栄螺」。漢字とともに、季節の味を楽しんでみてはいかがでしょうか。

来週もお楽しみに。

文/トヨダリコ(京都メディアライン)
アニメーション/鈴木菜々絵(京都メディアライン)
HP:https://kyotomedialine.com FB

 

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