歳をとるというのは厄介なものですよね。周りからは、年相応に物知りなどと思われたりして…。うっかり漢字の読み方を間違えたりしますと、とっても恥ずかしい思いをするなんてこともあるかもしれません。

脳の方は、若い時のようにパッパと記憶中枢からひっぱり出せなくなってきているかもしれませんが、「歳とってきちゃって、なかなか思い出せなくて…」なんて言い訳するようでは、サライ世代の沽券に関わる?

そんなことにならないように、動画を見ながら漢字の読み書きをすることで、脳のトレーニングとなります。

「脳トレ漢字」第52回目は、「白南風」をご紹介します。どんな風か、ご存知でしょうか?

この記事を通じて、読むこと・書くこと・漢字の意味を深く知り、漢字の能力を高く保つことにお役立てください。

■「白南風」はなんと読む?

「白南風」という漢字、読み方に心当たりはありますか? ある時期に吹く風の呼び名なのですが……

正解は……
「しろはえ」です。

他には「しらはえ」「しろばえ」といった読み方もあります。『小学館デジタル大辞泉』によると、意味は「梅雨が明ける6月末ごろから吹く南風」のこと。「はえ」とは主に山陰、西九州地方で用いられる「南風」の呼び名です。

■「白南風」の漢字の由来とは?

では、なぜ梅雨明けの風は “白い南風”なのでしょうか? それは、この風が吹くと梅雨が終わり、天が明るく晴れるからだと言われています。空の雲の色も暗い雨雲から、夏の澄んだ白い雲へと変化しますよね。空や雲の色といった視覚的なイメージが、風に色をつけたのです。

■白い南風は「しろはえ」。では、黒い南風は…? 

夏の南風は、吹く時期に応じて呼び名がつけられています。梅雨の終わり頃が「白南風」であるのに対し、梅雨の始め頃は「黒南風(くろはえ)」です。これは、梅雨時期に湿気を多く含んだ雲の黒々とした様子に由来しています。“黒い南風”と“白い南風”、二つの南風が我々に季節の変化を告げてくれますね。

最後に、「南風」と書いて「はえ」と読む理由をご紹介します。これは「南から吹く風」という同じ意味を持つ、中国語の「南風」という言葉と、昔の日本語の「はえ」という言葉とが結びついたからです。このような成り立ちの訓読みを“熟字訓”と呼びます。「東風」と書いて「こち」と読むのも、この熟字訓に当たります。

***

いかがでしたか? 今回の「白南風」のご紹介は皆さまの漢字知識を広げるのに少しはお役に立てたでしょうか? 梅雨明けの季節、肌に吹く風に色を感じると、一段と爽やかな夏が迎えられる気がします。

来週もお楽しみに。

文/豊田莉子(京都メディアライン)
アニメーション/貝阿彌俊彦(京都メディアライン)
HP:http://kyotomedialine.com
Facebook:https://www.facebook.com/kyotomedialine/

 

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