写真・文/矢崎海里
春の訪れを感じる「菜の花」。
つぼみや葉、茎を食用にする野菜で、ほろ苦さが特徴です。
近年はハウス栽培もされており、一年中出回っている菜の花ですが、やはり旬のこの時期には食卓に並べたくなりますよね。
菜の花はとにかく栄養満点。
今回は、普段の栄養不足も補う、菜の花を使った小鉢と、メインのおかずレシピをご紹介します。
菜の花と三つ葉のおろしポン酢和え
【材料】(1人分)
菜の花 1/2把
三つ葉 1/4把
大根 1cm
ポン酢 大さじ1/2
【作り方】
1.菜の花、三つ葉は2~3cm幅に切る。
2.耐熱容器に入れ、600Wの電子レンジで3分加熱し、あら熱を取る。
3.大根をおろし、軽く水気を切る。
4.2の水気を切り、大根おろしを和える。
5.ポン酢で和えたら完成。お好みでかつお節や刻み海苔などをトッピングして風味UPもおすすめです。
菜の花はおひたしや辛子和えなど、ちょっとした小鉢として大活躍。
鮮やかな緑は食卓も華やかにしてくれます。
菜の花はビタミン類を豊富に含む食材で、100gあたりビタミンEは一日の約半分、ビタミンK・ビタミンCは一日分以上を摂取できます。
上記以外にもビタミンAや葉酸なども含まれている、優れた栄養価の野菜です。
水溶性のビタミンは水に溶けやすく、茹で水に流失しやすいため、電子レンジなどでの加熱がポイントです。
あくも少なく、さっと加熱するだけで食べることができるため、栄養不足が気になる方、食卓が何となく寂しい、お弁当の彩りに欠ける、などプラス1品の野菜として活用してみてはいかがでしょうか。
食塩相当量:0.8g
鶏肉と菜の花の治部煮
【材料】(1人分)
鶏もも肉 100g
菜の花 1/3把
片栗粉 大さじ2
だし汁 150ml
めんつゆ(3倍濃縮) 小さじ2
わさび お好みで
【作り方】
1.鶏肉は3~4等分に切り分け、両面に片栗粉をはたく。
2.鍋にだし汁・めんつゆを沸かし、1の鶏肉を鍋に入れる。ふたをし、弱火で10分煮る。
3.菜の花は3cm程度の幅に切り、600Wの電子レンジで2分加熱する。
4.3の菜の花を加えさっと煮たら完成。お好みでわさびを添えてうつわに盛る。
治部煮は、金沢の郷土料理です。
小麦粉や片栗粉をはたいた鴨を煮る調理法で、鴨の代わりに鶏肉を使用することもあります。
鶏肉にまぶした片栗粉でだし汁にとろみがつき、具材に絡みやすくなっています。
だし汁とめんつゆのみで味が決まるのも嬉しいポイントです。
また、薬味にわさびが添えられているのも特徴。
優しいお出汁の味と、ピリッとした辛味と風味のわさびがアクセントになる一品です。
先ほど菜の花のビタミンについて触れましたが、ミネラルも豊富に含まれています。
特に不足しがちな鉄は、菜の花100gあたり一日の1/3以上。
他にも減塩のポイントとなる、塩分排出の手助けをする栄養素、カリウムやカルシウム、食物繊維も補うことができます。
食塩相当量:1.2g
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まだまだ寒い日が続きますが、春の訪れを感じる食材を楽しみながら、ポカポカ陽気を待ちわびましょう。
文/矢崎海里(やざき・かいり)
管理栄養士やフードスペシャリストなどの資格を生かし、企業で働く傍ら、Webメディアでも活動。おいしく食べて健康になれるごはんを研究中。