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健康

「疲労物質=乳酸」はもう古い|「疲れ」はどこから来るのか

文/中村康宏

近年、ストレスの過重蓄積による過労死やメンタルヘルスが問題視される中で、これらにいかに対処するかという気運が高まり、「疲労の科学」 が注目を集めています。しかし、「なかなか疲れが取れない」ことを理由に病院を受診しても、検査で原因が判明することはほとんどありません。検査で異常が見つからないことから、精神科や心療内科を受診する人もいます。しかし、そこでも疲れを説明できるような病気が見つからないことが往々にしてあります。そもそも「疲れ」って何なのでしょうか?どのようにして起こるのでしょうか? 今回は疲れのメカニズムについて解説します。

■疲労には2種類ある

「疲れる」ということはヒトが生命活動をしていく上で必要なサインで、過剰な活動に よって疲弊したり病気になるのを防ぐための重要な症状なのです。

疲れるサインを無視して働き続けたり体を酷使し続けると、過労死やうつ病、生活習慣病をはじめとする様々な病気が起こってしまいます。じつは、その「疲労」は、カラダとアタマを守るための機構として2種類に大別されます。

一つはカラダの疲労、運動などによる肉体的な疲労「末梢性疲労」、もう一つは肉体的な限界に至る前に感じられる疲労「中枢性疲労」です。この2種類の疲れは表裏一体の関係にありますが、『今、自分がどちらの疲れを強く感じているのか』を自覚することで、その時有効な疲れの対処法が変わりますので、疲れを感じた時、まずこの2種類を意識するようにしましょう。(*1)

それを踏まえた上で、疲労の原因が何かを解説したいと思います。

■「疲労物質=乳酸」はもう古い!?

これまで「乳酸」が疲労の原因物質と考えられていましたが、近年の研究によりその考え方は過去のものになりつつあります。従来、乳酸は筋肉の中では疲労回復を遅らせると考えられてきました。血中に放出された乳酸は体内pHの低下(体液のバランスが酸性に傾く)を生じさせることに加え、乳酸が脳にも回り、これが筋肉疲労を脳に知らせているシグナルで、かつ脳の疲労の原因物質であるかのように極めて単純に考えられた時代もありました。(*2)

しかし、乳酸は疲労を抑制するように働く、という従来と真逆の研究成果が注目を集めています。乳酸は運動により筋内から血中に放出されますが、筋肉や心臓に取り込まれ、エネルギー源として利用されることが判明しました。また、脳でも乳酸が神経細胞周囲の細胞によって作られますが、疲労の抑制やエネルギー物質として利用されることがわかってきたのです。(*3)

■末梢性疲労は「カラダの疲れ」!休息することで改善する

末梢性疲労は「筋疲労」と「末梢神経性疲労」に大別されます。これらの疲労現象は、筋肉に存在するグリコーゲンなどのエネルギー源の枯渇、血液の恒常性の失調(一時的な血流不全など)、調整機能失調(神経筋伝達の遅延)などによって、筋が発揮できる力が減り、俊敏性や巧緻性も低下し、パフォーマンスが低下します。また、筋疲労に引き続いて起こる筋肉痛は、運動中に生じた筋肉の損傷後の炎症に伴う機械的刺激や化学的刺激によって起こり、さらにパフォーマンスが低下します。しかし、末梢性疲労は炎症の収束とともに回復するのが特徴で、十分な休息と栄養を取ることが末梢性疲労を解消するカギになります。(*4)

■中枢性疲労は「脳の疲れ」。解消にはストレスのフィルターを鍛えろ!

一方、中枢性疲労は精神的(ココロ)な疲れで、「痛い」「寒い」などの“感覚”に近いものと言えます。疲労の度合いはカラダやアタマを酷使する量と比例せず、心理的な疲れであることを考えると、理解しやすいでしょう。例えば、スポーツでカラダを酷使した後であっても心地よさを感じることがある一方で、カラダは酷使していないのに長時間続く会議など、ストレスや緊張状態が続くことで、ぐったり疲れてしまうことがあります。このように「ストレスの感じ方」が中枢性疲労には重要になってきます。

ストレスの処理は主に脳の「前頭前野」と呼ばれる場所で行われ、ここの処理能力はその日の体調やコンディションに影響を受けます。(*5)日によって疲れ方が異なるのは前頭前野の「ストレスのフィルター」としての能力が関係しているのですね。この処理がうまくいかないと強い疲労や過労死などを生む原因となるのです。逆に、このフィルターを意識して鍛えることで中枢性疲労を改善することができるのです。

■脳の疲れと疲れに伴う症状は「酸化ストレス」が引き起こしていた

前頭前野で処理されたストレス刺激が脳内で大きくなると、脳の活動が活発になり脳の酸素消費量が増大します。酸素がたくさん使われた後には、その副産物として大量の活性酸素、つまり酸化ストレスが産生されます。通常は酸化ストレスから細胞を守るシステムが働き、活性酸素は除去されますが、処理しきれないほどの酸化ストレスが産生されると、細胞がダメージを受け機能不全に陥ってしまいます。このダメージやストレス負荷が脳の各部位に伝わることで、疲れやだるさを感じたりカラダに異常が生じるのです。(*6)

■前頭前野:作業効率が落ちる、やる気がなくなる、寝られないなどの症状が現れます。これは疲労感を増悪させ、さらにストレスがかかるという負の連鎖に陥ります。

■大脳辺縁系:大脳辺縁系にストレス負荷が伝わると、ストレスから身を守るために自律神経、内分泌などを介してストレス反応を形成します。その結果、胃腸の不良、肩こり、頭痛、注意力低下、抑うつ感などが症状として現れます。

■脳内神経伝達:疲労感と脳内の「セロトニン」と呼ばれる神経伝達物質の枯渇は密接に関係しているとされます。脳細胞が酸化ストレスによりダメージを受けることでセロトニンが枯渇してしまい疲労感が増します。うつ病では、このセロトニンの低下がうつ状態の主因と考えられており、セロトニン神経伝達部位でのセロトニンを薬剤によって増やすとうつ状態が改善されることが知られています。

疲労や精神的ストレスは脳内で活性酸素などの酸化ストレスを生む。前頭前野ではセロトニン分泌が低下し、抑うつ感、疲労感、意欲的か、作業効率低下などを生じさせる。大脳辺縁系では自律神経やホルモンバランスが崩れ、頭痛や肩こりなどの症状が生じる。酸化ストレスを解消するために免疫細胞から「インターフェロン」などの免疫物質が分泌されるが、これは酸化ストレスの処理だけでなく、脳内神経伝達物質である「セロトニン」の分泌も阻害し疲労感に拍車がかかる負の連鎖を生む。

それだけではありません。酸化ストレスが発生すると、それから体を守ろうとする免疫機構が働きます。例えば、免疫物質の「インターフェロン」は上述のセロトニン分泌を弱めてしまうことがわかっています。(*7)B型肝炎、C型肝炎の治療などで用いられた「インターフェロン治療」の代表的な副作用が「うつ病」であったことは多くの人が知るところです。インターフェロンはカラダを守る物質として有益ですが、疲労感やうつ病の原因にもなるのです。

以上、疲労のメカニズムについて解説しました。日常であなたが「疲れた」と感じるのはカラダの疲れでしょうか?脳の疲れでしょうか?まずは、この違いを意識しましょう。それぞれ、疲れを感じるメカニズムは異なりますし、それに応じた対処法も異なります。さて、どのように対処するのがいいのか、次回解説することにします。

【参考文献】
1.Neuroreport 2004; 15: 2571-4
2.Br J Sports Med 2004: 38; 648-9
3.Folia Pharmacol Jpn 2007: 129; 94-8
4.Cochrane Database Syst Rev 2011: 6; CD004577
5.NeuroReport 2003; 14: 51-5
6.Biol Psychiatry 2009: 15; 344–8


文/中村康宏
医師。虎の門中村康宏クリニック院長。アメリカ公衆衛生学修士。関西医科大学卒業後、虎の門病院で勤務。予防の必要性を痛感し、アメリカ・ニューヨークへ留学。予防サービスが充実したクリニック等での研修を通して予防医療の最前線を学ぶ。また、米大学院で予防医療の研究に従事。同公衆衛生修士課程修了。帰国後、日本初のアメリカ抗加齢学会施設認定を受けた「虎の門中村康宏クリニック」にて院長。未病治療・健康増進のための医療を提供している。

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