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取材・文/池田充枝

ぺーテル・パウル・ルーベンス《セネカの死》1615/16年 油彩・カンヴァス マドリード、プラド美術館蔵 (C)Madrid, Museo National Prado

17世紀ヨーロッパを代表する画家、ぺーテル・パウル・ルーベンス(1577-1640)。スペイン領ネーデルラント(現在のベルギーあたり)で活躍した彼の作品は、豊かな色彩や動き溢れる構図によって、当時のヨーロッパを席巻した「バロック美術」の見本となっています。大規模な工房を構えた画家として名声を博す一方で、たいへんなインテリだったために外交官としても重用されました。外国の宮廷外交交渉をしつつ、同時に絵画の注文を受けて作品を制作したといわれます。

ぺーテル・パウル・ルーベンス《キリスト哀悼》1601-02年 油彩・カンヴァス ローマ、ボルゲーゼ美術館蔵 (C)Ministero dei beni e delle attività culturali e del turismo-Galleria Borghese

「バロック」は17世紀から18世紀初頭にかけてヨーロッパ各国に広まった建築・美術・文化の様式で、曲線や楕円が多く用いられ、豪華な装飾が特徴です。建築ではフランスのヴェルサイユ宮殿がその代表です。美術では、イタリアのカラヴァッジョ、スペインのベラスケス、フランドルのルーベンス、オランダのレンブラントやフェルメールなどが代表的な画家です。

イタリア・バロックとルーベンスの関わりに焦点をあてた初の試みである展覧会が開かれています。(2019年1月20日まで)

ルーベンス展―バロックの誕生     (会場:国立西洋美術館)

ぺーテル・パウル・ルーベンス《クララ・セレーナ・ルーベンスの肖像》1615-16年 油彩・板で裏打ちしたカンヴァス ファドーツ/ウイーン、リヒテンシュタイン侯爵家コレクション (C)LIECHTENSTEIN. The Princely Collections, Vaduz-Vienna

本展はルーベンスの作品を、古代彫刻や彼に先行する16世紀のイタリアの芸術家の作品、そして同時代のイタリア・バロックの芸術家の作品とともに展示します。

本展の見どころを、ルーベンス展広報担当者にうかがいました。

「ぺーテル・パウル・ルーベンスの名は、わが国では名作アニメ「フランダースの犬」によって知られています。そう、主人公ネロが一目見たいと望み続け、最終回にはその前で愛犬パトラッシュとともにこと切れる聖母大聖堂の祭壇画の作者です。しかし本場西洋では、ルーベンスのほうが圧倒的に有名です。

ぺーテル・パウル・ルーベンス《パエトンの墜落》1604-05年頃、おそらく1606-08年頃に再制作 油彩・カンヴァス ワシントン、ナショナル・ギャラリー蔵 (C)National Gallery of Art, Patron’s Permanent Fund, 1990.1.1

ルーベンスは、バロックと呼ばれる壮麗華美な美術様式が栄えた17世紀ヨーロッパを代表する画家であり、後に「王の画家にして画家の王」と呼ばれたほどの存在なのです。本展覧会はこのルーベンスとイタリアとのかかわりに焦点を当てて紹介いたします。

ぺーテル・パウル・ルーベンス《エリクトニオスを発見するケクロプスの娘たち》1615-16年 油彩・カンヴァス ファドーツ/ウイーン、リヒテンシュタイン侯爵家コレクション (C)LIECHTENSTEIN. The Princely Collections, Vaduz-Vienna

なぜイタリアなのか―。イタリアは古代美術やルネサンス美術が栄えた地であり、バロックの中心地もローマでした。フランドルのアントウェルペンで育ったルーベンスは、幼いころから古代文化に親しみ、イタリアに憧れを抱きます。そして1600年から1608年まで滞在して自らの芸術を大きく発展させたのです。

本展は、ルーベンスがイタリアから何を学んだのかをお見せするとともに、彼とイタリア・バロック美術との関係を解きほぐす日本で初めての試み、かつ過去最大規模の展覧会です」

明と暗が紡ぎだす壮大な物語世界!! ルーベンスの芸術に浸りにぜひ会場に足をお運びください。

【開催要項】
ルーベンス展―バロックの誕生
会期:2018年10月16日(火)~2019年1月20日(日)
会場:国立西洋美術館
住所:東京都台東区上野公園7-7
電話番号:03・5777・8600(ハローダイヤル)
公式サイト:http://www.tbs.co.jp/rubens2018
開館時間:9時30分から17時30分まで、金・土曜日は20時まで、11月17日は17時30分まで(入館は閉館30分前まで)
休館日:月曜日(ただし12月24日、1月14日は開館)、年末年始(12月28日~1月1日)、1月15日(火)

取材・文/池田充枝

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