
30~40代のプレ更年期や、40~50代の更年期の女性は「なんとなくの不調」「ちょっとした違和感」を抱くことが多くなります。
なかでも季節の変わり目で多くの人が困る悩みの一つに挙げられるのが「今までできなかった突然の湿疹」です。
赤くかゆいブツブツ、乾燥してヒリヒリ、フケのようなコナが落ちるなど、お悩みを抱えていませんか?
実は、その不調には漢方薬が役立つかもしれません。
私の悩みにも漢方薬が役立つのか知りたい! 根本解消する方法が知りたい!
そんな女性たちの疑問を、漢方の専門家に解説してもらいます。
今回は「首周りの湿疹」の原因や対処法について、あんしん漢方の薬剤師で、漢方薬製剤の開発研究に携わる碇 純子さんに教えてもらいました。
Q. 更年期に入ってから、急に首まわりに湿疹が……。これって年齢のせい?

愛海さん、55歳からご質問をいただきました。
「最近、急に首周りに湿疹が出るようになりました。最初は乾燥かと思って保湿をしていたのですが、かゆみが増して赤みも広がってきたんです。皮膚科では『一時的な皮膚炎』と言われましたが、更年期に入ってからいろんな不調が重なっている気がして……。首だけというのも気になりますし、これって年齢のせいなんでしょうか?」
ご質問ありがとうございます。首まわりの湿疹は、見た目にも気になるし、かゆみもあって本当につらいですよね。
きちんと適切な治療やセルフケアを行えば、湿疹の症状の緩和をめざせます。まずは、湿疹の原因をしっかり把握して対処しましょう。
更年期の首周りの湿疹の原因

更年期に現れやすい湿疹の原因は、一言でいえば「ホルモンバランスの乱れ」です。
特に、エストロゲンの減少は皮膚のバリア機能に大きく影響します。
エストロゲンは肌の潤いを保つ働きがあり、その分泌量が低下すると皮膚が乾燥しやすくなります。乾燥は肌のバリアを弱め、ちょっとした刺激でも炎症が起きやすくなるため、湿疹につながることがあるのです。
首周りは、汗腺が多く皮脂腺も活発な部位。そのうえ服や髪が擦れやすく、デリケートな肌状態では刺激を受けやすい場所です。
「疲れやすい」「気分の浮き沈みがある」といった更年期特有の症状とともに、肌トラブルも出てきたなら、それは身体からのサインかもしれません。
背景に病気が隠れているケースも

更年期のホルモン変化に伴う湿疹が多い一方で、別の疾患が潜んでいることもあります。
たとえば、
・アトピー性皮膚炎
・脂漏性皮膚炎
・接触性皮膚炎(アレルギー反応)
・甲状腺機能異常
・糖尿病などの内分泌疾患
などが原因の場合も。
特に、「全身に広がる」「かゆみが強い」「熱を持っている」「長期間治らない」などの場合は、皮膚科だけでなく内科や婦人科の受診も検討しましょう。
更年期の首周りの湿疹を改善するセルフケア

1. 優しいスキンケアを心がける
刺激の少ない低刺激性のクレンジングや石けんを選び、洗顔後はすぐに保湿を。
アルコールや香料入りの化粧品は避けましょう。
2. 食生活の見直し
肌の健康にはビタミン類や亜鉛、たんぱく質が重要です。
特に、ビタミンB群やE、良質な脂質(アマニ油やえごま油など)を意識的に摂りましょう。
3. ストレスケアと睡眠の質向上
ストレスは免疫バランスを崩し、肌トラブルを悪化させます。
呼吸法や軽い運動、入浴などでリラックスする時間を持ち、質の良い睡眠を確保しましょう。
4. 漢方薬を試す
体の中から整える方法として、注目したいのが漢方薬です。
漢方は「湿疹=肌だけの問題」と考えず、身体全体のバランスを見て根本から整えようとする医学。更年期の不調にも心強い味方です。
碇さんによると、更年期におすすめの漢方薬には以下のようなものがあります。
・当帰飲子(とうきいんし):乾燥肌やかゆみ、湿疹に
・桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん):血行不良による肌トラブルやホルモンの乱れに
「どれが合うかは、体質によって異なります」と碇さん。
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悩んだら、内側からのケアも忘れずに

首周りの湿疹、鏡を見るたびに気になって、気分も沈みがちになりますよね。
でも、それは体が「ちょっと疲れているよ」「助けてほしいよ」と教えてくれているサインかもしれません。
保湿や食事、睡眠……外側からのケアももちろん大切ですが、内側からのバランス調整も取り入れることで、根本からの改善を目指せます。
「えっ、漢方ってこんなに頼れるの?」と驚くかもしれません。
ちょっとワクワクしながら、新しいセルフケアを始めてみませんか?
<この記事の監修者>

碇 純子(いかり すみこ)
薬剤師・漢方薬生薬認定薬剤師
/ 修士(薬学) / 博士(理学)
神戸薬科大学大学院薬学研究科、大阪大学大学院生命機能研究科を修了し、漢方薬の作用機序を科学的に解明するため、大阪大学で博士研究員として従事。現在は細胞生物学と漢方薬の知識と経験を活かして、漢方薬製剤の研究開発を行う。
世界中の人々に漢方薬で健康になってもらいたいという想いからオンラインAI漢方「あんしん漢方」で情報発信を行っている。
●あんしん漢方(オンラインAI漢方):https://www.kamposupport.com/anshin1.0/lp/?tag=221432a9sera0253&utm_source=sarai&utm_medium=referral&utm_campaign=250503
イラスト:にゃたり
