だんだんと暖かくなってくるこの季節、花粉症に悩まされる方も多いのではないでしょうか。
株式会社ユーグレナは、2023年1月に全国の花粉症の症状の自覚のある20代から60代の男女526人を対象に、「花粉の時期の症状として最もつらいと感じる症状」に関して調査を実施しました。

調査の結果、花粉症の時期の症状として最もつらいものの圧倒的1位は「鼻水・鼻づまり(242人/526人・以下同)」、2位が「目のかゆみ(118人)」、3位が「くしゃみ(77人)」となり、やはり粘膜に花粉が付着することで起こるアレルギー症状に対して不快に感じる人が多いことがわかります。

次いで「皮膚のかぶれ・かゆみ(14人)」、「鼻周りが乾燥する/赤くなる(13人)」と皮膚症状が続きました。

この結果をうけ、内側・外側の花粉症対策について詳しい日比野佐和子先生から具体的な対策方法についてアドバイスをいただきます。

* * *

花粉症には“内側から”と“外側から”がある?

花粉症とは、スギ等の植物の花粉に対する免疫反応により発症するアレルギー症状です。主に鼻水が出る、涙が出る等の症状が一般的です。鼻腔内や目の粘膜に付着し、体内に入ってきた異物に対抗するために体内に備わる「抗体」が過剰に反応することによって起こります。本来なら、花粉やダニなどは人体に無害ですが、体内で、それらの異物に対して必要以上に攻撃する抗体が作られることによって症状が出てくるといいます。
この「抗体」をコントロールするためには免疫のバランスを整えることが重要です。この「内側からの花粉対策」と共に、花粉を物理的に寄せ付けない「外側からの花粉対策」も欠かせません。ぜひどちらも対策をしましょう。

“内側から”の花粉症の原因は免疫のバランスの崩れ

花粉症の原因となる免疫のバランスの崩れとは、免疫細胞が変化した「Th1細胞」と「Th2細胞」のバランスが崩れることを指します。病原菌や花粉などのアレルギーを起こす物質「アレルゲン」が体の中に侵入すると、次の流れで免疫機能が働きます。

1.免疫細胞の「マクロファージ」が病原菌やアレルゲンなどの異物を食べて除去する。
2.「マクロファージ」は、その異物の情報を免疫細胞「ヘルパーT細胞」に伝える。
3.「ヘルパーT細胞」は、受け取った異物の情報が『菌やウィルスなどの病原体』の場合は「Th1細胞」に、『ダニ・カビ・花粉などのアレルゲン』の場合は「Th2細胞」に変化する。
4.「Th1細胞」や「Th2細胞」は、「B細胞」に対して侵入した異物に“くっついて無力化”する「抗体」を作るように指令を出す。「Th2細胞」は、アレルゲン向けの抗体を作るように指令を出す。これが花粉症の原因といわれる「IgE抗体」。

4.の段階のとき、「Th2細胞」が過剰に反応すると、「IgE抗体」が必要以上に放出され、余分な「IgE抗体」が「マスト細胞」という細胞に結合します。すると、マスト細胞が「ヒスタミン」や「セロトニン」等の炎症の原因物質を放出してしまいます。これがくしゃみや鼻水、かゆみなどを引き起こすのです。つまり、Th2細胞が過剰に反応しないように免疫バランスを整えることが、花粉症対策となります。

コロナ感染後などは一時的に免疫が低下してしまう傾向があり、昨年から今年にかけて、帯状疱疹の患者さんが増えている傾向にあります。また、コロナ感染後遺症として、蕁麻疹や脱毛症などが増えています。同じように免疫バランスが関与する花粉症を発症する人も、増えている可能性もあります。もしも喉の違和感、鼻水があっても、鼻水や痰が黄色や緑でなく透明の場合は、花粉症などほかの要因である可能性も高いので、コロナ、風邪などとあわせ、「花粉症になったかも?」という可能性も視野に入れてみてください。もちろんマスク、手洗い、うがいなどはいずれの予防にも役立ちますので、引き続きしっかりと行いましょう。

“外側から”の「花粉肌あれ」にも要注意

花粉症といえば、くしゃみや鼻水、かゆみですが、肌にも影響があります。花粉が肌に付着することで「花粉肌あれ」を引き起こす人も多くいます。その原因となるのが、目や鼻のアレルギー症状など多くの花粉症症状の原因にもなっているスギ花粉のタンパク「Cryj1(クリジェイワン)」です。

これが肌に付着すると、通常は活動していない肌の中の「トロンビン」という酵素が活性化してしまうことで、表皮細胞が興奮状態になり、肌あれの原因になります。

また肌のバリア機能を担う「ランゲルハンス細胞」という細胞の働きの減少によって生じる「肌免疫」の低下も肌あれにつながります。特に春先は、花粉や紫外線といった外からの刺激が多いのに加え、新生活に向けて精神的ストレスが増すことでも影響を受けます。

【内側からの花粉対策】
免疫バランスを意識した食生活とは?

免疫バランスを整えるためには、基本的に身体に必要なタンパク質、脂質、炭水化物、ビタミン、ミネラル、食物繊維の6種類の栄養素をバランスよく摂ることが重要です。食物繊維は野菜や穀類に多く含まれますが、特におすすめなのが「パラミロン」という食物繊維の一種です。なぜなら「Th1細胞」と「Th2細胞」のバランスを整える働きがあるからです。

免疫バランスを整える食物繊維の一種「パラミロン」とは?

ユーグレナの特有成分であり、食物繊維の一種である「パラミロン」とよばれる成分が花粉症の予防に役立つ可能性が示されています。「パラミロン」には「Th1細胞」と「Th2細胞」の働きのバランスを整える作用があることがわかっており、新たな花粉症対策食品として注目されはじめています。

また「パラミロン」には、睡眠の質を向上させたり、疲労を回復させたりする効果があることも示唆されています。

食物繊維は発酵食品などに含まれる善玉菌と一緒に摂るのがおすすめ

腸内の善玉菌の餌となる食物繊維と、善玉菌自体や、善玉菌を含んでいるとされる発酵食品を一緒に摂ることで、腸内環境が整うと言われています。そのため、食物繊維の一種「パラミロン」と乳酸菌を一緒に摂ることをおすすめします。ヨーグルトを食べるときに食物繊維を一緒に摂ったり、最近は食物繊維と乳酸菌があらかじめ一緒になっている飲料などもありますので利用しましょう。

「グルテン」の過剰摂取はNG

花粉シーズンにパンやパスタ、ピザ、うどんなどの小麦由来食品をちょっと控えてみることが予防につながる可能性も。小麦、大麦、ライ麦などには難消化性たんぱく質の「グルテン」が多く含まれているからです。グルテンの過剰摂取は、腸で炎症が起こり、バリア機能を壊すことによって、リーキーガット症候群を引き起こしやすくなります。リーキーガット症候群とは腸に穴が開き、腸内細菌や老廃物が漏れ出すこと。これが肌あれにつながることもあります。できるだけグルテンフリーの食品を選び、小麦由来食品の過剰摂取を避けることがオススメです。

【外側からの花粉対策】
花粉との接触をできるだけ避ける

花粉症は花粉との接触をできるだけ避けるという外側からの対策も重要です。花粉は晴れて気温が高い日や、空気が乾燥して風が強い日、雨上がりの翌日、気温の高い日が2~3日続いた後に大量に飛散すると言われています。このような日は外出を控えてみるなどしてみましょう。帰宅したらすぐに手をしっかりと洗い、刺激の少ない洗顔料で顔についた花粉を洗い流すことも心がけてみてください。

マスクと共に花粉をバリアするアイテムを活用

花粉・ちり・ほこりなど空気中の気になる微粒子の汚れや、紫外線によるダメージ・乾燥など、外部刺激に対処するスキンケアやメイクで肌を覆っておくことで、花粉の付着を軽減できます。マスクは肌に刺激にならないように、柔らかい素材の不織布マスクや綿・麻・絹などの天然素材のマスクを選びましょう。またサイズの大きすぎるマスクは、隙間から水分が蒸発しやすく摩擦を招くので肌にとってもNGです。正しく装着して隙間をなくしましょう。

マスクをする際も、花粉やほこりなどの微粒子の汚れから肌を守る機能を持ったクリームなどを塗った上から着けると、より花粉からガードできます。

「花粉肌あれ」予防のポイント

「花粉肌あれ」を予防するには、花粉を肌に付着させないことに加えて、肌のバリア機能を低下させないことを心がけましょう。

【肌のバリア機能対策方法】

肌のバリア機能を維持するには、肌の表層部にある角層の部分が、皮脂膜により水分が保たれ、かつ細胞間脂質がきちんと生成されていることが必要です。そのためには、保湿が重要です。特に皮膚が薄い眼の周りなどの箇所は重点的に保湿しましょう。

洗顔や入浴後に水分を拭き取るとき、ナイロン、ポリエステルといった化学繊維は固めで肌と摩擦が起こりやすく、さらに摩擦による肌への刺激は、肌のバリア機能を低下させます。乾燥シーズンでもある冬は、化学繊維が起こしやすい静電気も肌のバリア機能に悪影響を与えます。柔らかく摩擦の少ない綿100%タオルを使用することで、肌のバリア機能へのダメージを最小限にできます。

室内での湿度は、肌に最適な60~65%を心がけましょう。部屋に洗濯物や濡れタオルを干すだけでも湿度は上がります。

なお、外出しない日はノーファンデのほうが肌にいいという神話がありますが、近年はファンデーションを塗ったほうが肌の水分量や皮脂量をコントロールしてくれるため、肌にとっては良いことがわかっています。室内だからといって、怠らず、薄くても良いので、ファンデーションを塗って肌をガードし、ケアすることも重要です。

以上から、身体の内側から外側からの対策を万全に、本格的な花粉症シーズンを乗り切りましょう。

【監修】医師 日比野 佐和子(ひびのさわこ)先生

医療法人社団康梓会 Y’sサイエンスクリニック広尾統括院長、大阪大学大学院医学系研究科臨床遺伝子治療学特任准教授、医学博士。内科医、皮膚科医、眼科医、アンチエイジングドクター(日本抗加齢医学会専門医)。同志社大学アンチエイジングリサーチセンター講師、森ノ宮医療大学保健医療学部准教授、(財)ルイ・パストゥール医学研究センター基礎研究部アンチエイジング医科学研究室室長などを歴任。中医学、ホルモン療法、プラセンタ療法、植物療法(フィトテラピー)、アフェレーシス療法(血液浄化療法)などを専門とする。アンチエイジングの第一人者として国際的に活躍するほか、テレビや雑誌などにも数多く出演。

 

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