「思っているけれどなかなか行動に移せない」「もっとこんな風になれたらいいのに」。自分の理想と現実とのギャップにモヤモヤした気分を抱えている方は、考え方を少し変えるだけで変化が生まれるかもしれません。そこで、コーチングの専門家・三木未希さんの著書『つよつよメンタルで人生は思い通り』から、しなやかに軽やかに、なりたい自分に変化していくヒントをご紹介します。

文/三木未希

続けるために効果が出る方法を採用する

「続かなーい」これもよく聞くお悩みです。でも、考えようによっては、次々と「とりあえずやってみる」ことができる素晴らしい性格ですね、といえるかもしれません。

でも、ある程度続けないと結果が出ないものって確かにあります。また、やりたいと思ったことが続けられないと、罪悪感を持ってしまうこともありますね。少し余談ですが、続かなくて罪悪感を持ってしまうくらいなら、はじめから「続けるぞ」と思わずに、「とりあえずやってみるんだ」くらいの意識ではじめてみるのもいいかもしれません。続けられなかった、のではなく、「自分の意思でやめた」と思えたら罪悪感はなくなりそうです。この時も、「では何をするか」まで考えることは大事です。

さておき、続けたいのに続かない問題、おそらく、(1)はじめられないから続かない人、(2)なんでもパッとはじめるけれど続かなくなる人、どちらのパターンもあると思います。

(1)の人は「とりあえずやってみる」というつよつよメソッドを思い出しましょう。(2)の人とは、続ける工夫を考えていきたいと思います。くれぐれも忘れないでほしいのは、あなたの「パッとはじめる」はとてもいいことだということです。思いつきからやるまでの時間は短い方がいい。そこは忘れずに少しだけ工夫してみましょう。

続けること、習慣化についてはさまざまな角度から検証されていますが、コーチング的には「いいことがないと続かない」「成果が見えないとやりたくなくなる」と考えています。これはつよつよメソッドの「自分をかわいがる」にもつながります。これをベースに考えてみたいと思います。

つよつよメソッドには他にも、「変化に敏感になりましょう」、「いいことに注目する」というものもありました。これらが自然にできるようになると、うれしい変化を敏感に感じられるようになり、それが「続けるエネルギー」になります。

たとえば、字をきれいに書きたいからお習字教室へ習いに行くとしましょうか(趣味として長く続けたい、という場合とは別です)。何度も繰り返し同じ字を書く、という行為そのものがたのしいのであれば、きっと飽きずに続けれると思います。また、教室のお友達と仲良くなれたら通うのがたのしくなったりするかもしれません。

でも、今回お習字を習う目的は「字をきれいに書きたい」からですよね? きれいな字を書くことができるようになる、という「いいこと」「成果」が見えないと、きっと途中で飽きてしまいます。書くという行為がたのしい、お友達ができてたのしい、それはお習字を続ける上でとてもいいモチベーション(やる気)になり、続けていたらきっと字を上手に書くことができるようになると思いますが、あくまでもこれは棚からぼたもち的な「いいこと」です。棚にぼたもちがなかったとしても続けることができて、そして成果を出すためにはどうしたらいいでしょうか。

それは、効果が出る方法を採用すること。これに尽きます。そんなの分からないって? そういう時には「そもそも、どうして?」と考えてみましょうか。

ダイエットを例にすると分かりやすいと思います。

「そもそも、どうなったら体重は減るの?(体重が減る仕組みは?)」
検索すると、きっとすぐに出てきますね。検索する時は、科学的に正しい情報かどうかは気にしてください(国や都道府県の研究機関などが公開しているものから探すのがおすすめです)。無茶苦茶な理屈を信じてダイエットしても、きっとうまくいきませんから。

「そもそも、どうして?」を知ることで、「できそうなこと」がいくつか見つかると思います。緩やかに筋肉をつけていく方法、短期間に体重を落とす方法、費用がかかるもの、かからないもの……あなたにとって効果的な「やること」が分かってきます。そうしたら、もう大丈夫ですね。できることからやってみて、ブランコ効果を狙いましょう。変化に敏感に、できたことに注目して、いちいち喜んで、未来の自分の姿にわくわくしましょう。合わせて、何のためにダイエットをするのか、ということを見失わないようにしてください。これは忍者のジャンプは3メートル必要か2メートルでいいのか、という話と同じです。数字で分かるゴール地点を決めておくと、そこまではがんばろうというモチベーションになります。

では「字を上手に書く」のような、数字に置き換えづらい目標はどうすればいいのでしょうか。これもやはり「そもそも」の部分を調べるといいと思います。そもそも字を上手に書くにはどうしたらいいか、とかね。さらに、字を上手に書けるようになった人の体験を調べてもいいかもしれません。お習字の先生に直接質問してもいいのではないですか? 「半年で字が上手になりたい(できれば、具体的な目安があった方がいいですね。ご祝儀袋に自分で名前を書けるくらい、とかね)のですけれど、そのように指導していただけますか?」なんて質問して、納得できる回答をいただけたら、これはなかなかいいかもしれません。

このように調べていくと、きっと色々な方法が見つかると同時に、自分が選ぶべき行動が見えてくると思います。その中から自分ができそうなことからやってみればいい。これはきっと、皆さんが新商品のお買い物をする時に検索する方法と同じではないでしょうか。そもそも何ができる商品なのかということを公式ページなどで確認して、評判や実際の使用事例などのクチコミを検索して、自分に当てはめて検討しませんか? お買い物でやっているわ、と考えたら、簡単にできそうですよね。

努力を茶化してくる外野への接し方

最後に少し、外野への対応方法を。あなたがダイエットを続けているとしましょう。そういう時に「困ったなあ」とたびたび思わされるのが、身近な外野の方。パートナーや親御さん、お子さん。これは愛情のつもりで言ってくる人が大多数だと思うのですけれど、茶化すんですよね。

今更はじめても遅いんじゃないか、その程度の運動でいいのか、さっきアイスクリーム食べたじゃないか、他の人はもっとやっている、まだぷよぷよだな、お腹出てるぞ……せっかく本人が「できたこと」や「いいこと」に注目しているのにこんなことをいわれたら、気持ちよくやる気がアップするはずないですよね? 「なにくそ!」というパワーは時に威力を発揮しますが、それよりも、ご機嫌パワーで物事を進める方が絶対にいい。「やりたい」が原動力になった方がいいんです。なので、愛情を持って茶化してくる愛する人には、こういってやりましょう。

「そんなことをいって、何かいいことが起こると思う?」
どうせ何か言ってくれるなら、いいところを見つけて励ましてほしいですよね。

* * *

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三木未希(みき・みき)
1978年9月奈良県生まれ。同志社女子中学、同志社女子高校、同志社大学文学部卒業。同志社大学リエゾンオフィスにて産学連携コーディネートと学生ベンチャー支援業務。(公財)横浜企業経営支援財団にて技術系ベンチャー企業の経営支援業務(インキュベーションマネージャー9年間)。2018年3月コーチとして独立。NLPを使ったパーソナルコーチとして2021年8月時点で、リピート率100%継続中。

 

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