定年まで同じ会社に勤める男性は、3人に1人だとご存知ですか? 転職は珍しいことではありません。けれど、夫が転職する場合に「妻や家族にはどんな影響があるのか」は意外と知られていないのではないでしょうか。

そこで、株式会社ビズヒッツ(https://bizhits.co.jp/)が運営する、ビジネス上の問題解決を考えるメディアBiz Hitsが、転職経験のある夫をもつ既婚女性500人に「夫の転職」についてのアンケートを実施しました。夫が転職をして困ったことなど、リアルな声をご紹介します。

■夫が転職して困ったことは?

▷1位「収入の減少」137票

・収入がリアルに半減した(30代、専業主婦)
・都内の大手企業勤務から、地元で義父が経営する事業の跡継ぎになり、想像以上の収入減になった(40代、パート・アルバイト)
・転職先では、1年程度見習い扱いで、給与が安かった(50代、会社員)

ダントツの1位は、「収入が減って困った」でした。基本給やボーナスの減少のほか、「住宅手当」など、各種手当がなくなって困ったという回答も。収入減少によって、「趣味にかけていたお金も生活費に回すようになった」「外食を減らした」など、生活スタイルを変化せざるを得なかった人もいました。

▷2位「生活リズムの変化」79票

・家を出てから帰宅までの時間が長くなったので、ワンオペの時間も延びた20代、会社員)
・ライフサイクルが変わり、自分の働く時間なども調整しなくてはならなくなった(30代、パート・アルバイト)
・勤務先が遠くなり、通勤時間がかかるようになって、朝食やお弁当の準備の時間が早くなった(40代、専業主婦)

他にも、「配偶者の勤務時間や通勤時間が変わり、自分も合わせないといけない」「休日を一緒に過ごせなくなった」や、「配偶者が子育てに関わる時間が減ってしまった」「ワンオペになって困る」といった、子育てに関しての声も寄せられました。

▷3位「無収入の期間ができた」75票

・退職から転職までの2か月、少額の退職金と貯金を切り崩しての生活で、子ども達も私も疲弊した(20代、パート・アルバイト)
・転職した月の給料がタイミングが悪く、しばらく貰えないことがあった(30代、専業主婦)
・退職して失業保険を受給するまでの間、収入がなく、預貯金を切り崩した(50代、パート・アルバイト)

退職後に転職活動をする場合は、しばらく無収入になることも。切れ目なく転職した場合でも、給料日の関係で無収入期間ができることもあります。他に、夫の転職当時に専業主婦だった人からは「自分が急いで働きに出ることになった」、共働きだった人からも、「自分が働いていたとはいえ、夫の収入がなくなって苦しかった」といった回答が寄せられました。

▷4位「引っ越し」45票

・子どもの幼稚園を選び直さないといけなかった30代、専業主婦)
・転勤が伴う転職だったので、自分も仕事を辞めたり、住居を探したりと大変だった(40代、専業主婦)

荷物をまとめるなど、引越作業そのものや、知らない土地に馴染むのは大変ですよね。他に、「国境を越えて転居した人」や「転居のため、自身も転職した人」もいました。  

▷5位「夫の精神状態が悪化した」37票

・転職した先で馴染めずに塞ぎ込んでしまった(20代、会社員)
・仕事と職場環境に慣れるまで、ピリピリして神経質になっていた。家の中でも空気が張り詰めているようで、精神的に疲れた(30代、会社員)

希望に満ちた転職や、やりたい業種・職種へのチャレンジであっても、新しい職場や仕事内容に馴染むまでは、誰でも気を張ってしまうもの。「ストレスを感じ疲れている夫への接し方に困った」という人が多くいました。

▷6位「保険や税金の手続きが面倒」25票

・国民健康保険への切り替え手続きなど、あまり詳しくないので、かなり困った(30代、専業主婦)
・会社の団体で加入していた保険などの手続きが大変だった(40代、パート・アルバイト)

「国保への切り替えが面倒だった」「保険証について、病院での手続きが面倒だった」など、健康保険に関する回答や、「会社員から自営業に転職したので、保険や税金のことをすべて自分たちでやることになり、大変」という声もありました。

▷7位「収入が不安定になった」15票

・給料が月給から歩合制に変わり、休みの多い月になると給料が大幅ダウンした(20代、専業主婦)
・転職してから給料が毎月違い、月のお金がいくら入るかがいつも不安だった(30代、専業主婦)

固定給から歩合制の会社への転職や、会社員・公務員から自営業への転職などは、毎月の収入が不安定になりがちです。お給料が少ない月でも、支出は簡単にはおさえられないので、日常のやりくりに困りますよね。

■夫に転職を告げられたタイミングは?

半数以上が「転職を考え始めたとき」に相談されたり、知らされたりしていました。実は4位には「こちらから転職をすすめた・夫婦で相談しながら決めた」が入っており、多くの人が「本格的に転職活動する前から、夫の転職について知っていた」という結果に。

▷1位「転職を考え始めたとき」51.0%

・前の職場ではやっていけないと夫が判断したとき(20代、専業主婦)
・転職する前に、転職してもいいかと相談された(30代、専業主婦)

「会社が嫌で、転職したいと前々から聞いてはいた」など、夫が具体的に転職を計画しはじめる前から、なんとなく雰囲気を感じていた人も。急に「転職先が決まった」「1か月後に転職する」などと言われると驚くので、「結果的に転職しようがしまいが『転職したい』と思っているなら、早めに教えてほしい」というのが妻の本音ではないでしょうか。

▷2位「転職先が決まってから」11.6%

・転職先が決まったあとに「来月から違う会社で働く」と告げられた(30代、会社員)
・「建築関係の仕事がしたいから、弟子入りのような生活になる」と聞いたのは、もう決断してからで、愕然とした(50代、パート・アルバイト)

「実際に内定が出たあと」や「ほぼ転職先の目処がついたタイミング」で夫の転職について知った人も多いことがわかります。中には、「転職が決まって1か月後」に事後報告を受けた人もいました。

▷3位「転職活動中」8.0%

・書類選考に通り、面談の日程が決まったタイミングで聞いた(30代、会社員)
・転職活動中に、今の仕事にやり甲斐が持てないから転職活動をしていると言われた(40代、専業主婦)

「気になる募集を見つけた」「面接の日程が決まった」「転職エージェントと面談する」など、転職が現実味を帯びてきたタイミングで、妻に打ち明ける男性も多いようです。

■夫が転職してよかったと思いますか?

「思う」(42.4%)、「まあ思う」(43.0%)と、85.4%の妻が、「夫が転職してよかった」と答えました。

「夫の転職に際して困ったことがあった」と答えた人も、84.9%が「よかったと思う」「まあ思う」と回答。困ったことを上回るメリットがあり、「結果的には転職してよかった」と満足していることがわかりました。

▷夫が転職してよかった理由

・仕事のストレスから家でずっと暗い顔をしていて、子どもに八つ当たりすることなどもあったので、それが改善されてよかった(30代、専業主婦)
・収入は下がってしまったが、前職はシフト勤務で肉体的にかなり辛そうだったので、心身共に安定して働けるようになりよかったと思う(40代、専業主婦)
・慣れるまでは大変だったが、前職より残業は大幅に減り、お給料が増えて、夫も元気になった(50代、パート・アルバイト)

「お給料が増えた」「前よりも楽しそうに働いている」「残業が減り、家族の時間が増えた」などを「よかった」理由に挙げた人が多数で、転職したことで、家庭内の雰囲気もよくなったことを伺わせる回答が多く見られました。

▷夫が転職してよくなかった理由

・収入は上がったが、人間関係がきつく、環境がよくなさそう(20代、会社員)
・稼げる時には稼げるが、繁忙期の激務がひどく、いつか身体を壊しそうで心配(30代、会社員)
・給料が減ったし、愚痴も多い。それなら、前の会社で給料があって愚痴が多いほうがよかった(40代、パート・アルバイト)

「収入が下がった」「新しい職場が本人に合っていないようだ」「健康が心配」などが目立ちました。他には、「自営業をはじめ、24時間一緒なので息が詰まる」「自分の家事負担が増えたことが原因で、ケンカが増えた」「転職について事前相談がなく、夫に不信感を抱くようになった」など、転職が「夫婦の不和」や「ギクシャクした関係」につながったという回答も。

また、「転職を繰り返している」「また転職しようと考えているようだ」と、職場に定着しない夫に不安を感じている人もいました。

* * *

いかがでしたか? お金の面で苦労をしたという意見が多数ですが、転職に満足している声が多いのも印象的でした。転職は考えている本人が一番悩むことと思います。相談できるパートナーの存在が、より安心して、転職活動に向き合える秘訣なのかもしれません。寄り添い、一緒に乗り越えることで、より家族の絆が深まるのではないでしょうか。

【調査対象】転職経験のある夫をもつ既婚女性500人
【調査日】2021年2月26日~3月5日
【調査方法】インターネットによる任意回答

 

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