文/印南敦史

『20万人を診た老化物質「AGE」の専門医が教える 老化をとめる本』(牧田善二 著、フォレスト出版)の著者は、東京・銀座の「AGE牧田クリニック」で年間3000人以上の患者を診ているという糖尿病の専門医。

“AGE”とは聞き慣れない名称だが、とはいえ無視できないものでもあるようだ。

AGEとは「Advanced Glycation End-products」の略で、日本語では「終末糖化産物」と訳されています。わかりやすくいえば、体についた「コゲ」です。
私たちの体は水分と脂肪を除くと、ほとんどがタンパク質でできています。AGEはタンパク質に悪い影響を与えます。(本書「はじめに」より引用)

だとすれば注意が必要だが、日常生活でAGEを避けたり減らしたりすることでその害は防げる、すなわち体の老化を遅らせることができるのだそうだ。そこで本書では、AGEへの対処法を中心として、老化をとめる方法を解説しているのである。

これまでは、物質に酸素が結合する反応である“酸化”こそが人間の老化の原因だと考えられてきた。しかし最近の研究では、“糖化”によって生まれるSGFが酸化以上に老化に深く関与していることがわかってきたのだと著者は指摘する。

なお糖化とは、タンパク質やブドウ糖が結合する反応のことで、体に起こる「コゲ」といわれている。

この反応によって体の中にAGEという物質ができてきます。この糖化は体の老化、特に肌のシワやシミの最大の原因であるだけでなく、がん、心筋梗塞、脳卒中、アルツハイマー病、骨粗しょう症、高血圧症、糖尿病などさまざまな病気の原因にもなっています。つまり、AGEは「人類最大の敵」といえます。AGEはこれを多く含む食べ物を摂取することで体の中に溜まります。(本書16〜17ページより引用)

ここで注目したい点がある。AGEは、同じ食品であったとしても調理法によって含有量が変わってくるということ。

いちばん少ないのは生。そのあとは、煮る、蒸す、焼く、揚げるの順になる。すなわち、高い熱を加えた調理になるほどAGEは増えていくということだ。

食品から摂取したAGEは、ほとんどが消化の際に分解される。ところが10%は体内に吸収され、そのうちのさらに0.6から0.7%は体内に残ると考えられている。

注目すべきは、基本的に食事は毎日3回食べるものであるということ。微量であったとしても、食べるごとにAGEが蓄積されるので、油断はできないのだ。

そのため、毎回の食事でできるだけAGEを取らないよう調理に気を配るべきなのである。とはいえ決して難しいことではなく、たとえばステーキなら、十分に焼くのではなく、サッと焼いたレアに近い状態すればよい。

AGEはKU(キロユニット)という単位で表され、1日の上限は7000から1万KU。少なくとも、これを超えないように食べることが大切だ。参考のために、老化を進める「高AGEワースト10食品」を挙げておこう。

バーベキューチキン             約16600KU/100g
ベーコン(焼く)              約11000KU/13g
フランクフルトソーセージ(5分焼く)    約10143KU/90g
鶏皮もも肉皮つき(焼く)          約10030KU/100g
ビーフステーキ(オリーブオイルで焼く)    約9050KU/90g
チキンカツ(鶏むね肉皮つき・25分揚げる)  約8965KU/90g
豚カツ                   約7600KU/100g
チキンナゲット               約7764KU/90g
ピザ                    約6825KU/100g
フランクフルトソーセージ(7分ゆでる)   約6736KU/90g
(本書23ページより引用)

このとおり、たとえばベーコンは13グラムで約1万100KU、90グラムのフランクフルトソーセージも5分焼くと1万KUを超えてしまう。したがって、できるだけAGE含有量の少ない食品を食べるように心がけるべきなのだ。

とはいえ、AGEをまったく摂らないようにすることは不可能。だが生活習慣を変えればAGEの害を減らし、できるだけ若々しさを保つことは可能であるようだ。

そのために大切なことは4つあり、まず1つ目はカテキンを摂ること。お茶に含まれるポリフェノールの一種であるカテキンには、AGEを防ぐ効果が確認されているという。

2つ目は、ビタミンB群を摂ること。ビタミンB1は体内で糖化を抑制したり、AGEによる体への害を防ぐ働きがある。ビタミンB6も、AGE値を低下させることが明らかになっているそうだ。

3つ目は、筋トレをすること。高血糖はAGE蓄積のもとだが、筋トレをして増えた筋肉には、多くのグリコーゲンを溜めることが可能。すると、インスリンが血糖値を下げる効果が高まるのだ。

4つ目は、ウォーキングをすること。食後すぐにウォーキングをすると、高血糖が防げるわけである。

なお、逆にやってはいけないのは、糖質の偏りすぎやAGEの多い食べ物を食べること。また、紫外線や喫煙もAGEを増やすので注意が必要だ。

* * *

要点が簡潔にまとめられており、イラストや図も豊富なのでとてもわかりやすい内容。加齢とともに「最近、ちょっと老けたかな」と老化を意識する機会が増えるだけに、ぜひとも参考にしたいところだ。


『20万人を診た老化物質「AGE」の専門医が教える 老化をとめる本』

牧田善二 著 フォレスト出版

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文/印南敦史 作家、書評家、編集者。株式会社アンビエンス代表取締役。1962年東京生まれ。音楽雑誌の編集長を経て独立。複数のウェブ媒体で書評欄を担当。著書に『遅読家のための読書術』(ダイヤモンド社)、『プロ書評家が教える 伝わる文章を書く技術』(KADOKAWA)、『世界一やさしい読書習慣定着メソッド』(大和書房)、『人と会っても疲れない コミュ障のための聴き方・話し方』『読んでも読んでも忘れてしまう人のための読書術』(星海社新書)などがある。新刊は『書評の仕事』 (ワニブックスPLUS新書)。2020年6月、「日本一ネット」から「書評執筆数日本一」と認定される。

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