熱帯アメリカ原産のアボカドは近年、日本の食卓に上る機会が増えた輸入野菜のひとつである。栄養価が高く、老化を防ぐビタミンEや目にいいといわれるルチンを豊富に含んでいる。
日本で流通するアボカドは、これまで南米からの輸入が多数を占めていたが、今年注目を集めているのがニュージーランド産だ。 輸出を手がけるアバンザリミテッド対日代表のマーティン・ナッパーさんはその理由を説明する。
「アボカドは二年生の植物のため、収穫の多い年と少ない年が交互に訪れます。今年は多い年に当たるうえ、抜群の天候に恵まれたため、過去最高の収穫量になると予想されています。日本への輸出量も昨年の5倍以上となりそうです」
注目の理由は収穫量以上に、そのおいしさにある。一般的なアボカドよりも油分が多いため濃厚なコクがあり、果肉はキメが細かく滑らか。ニュージーランドアボカド協会CEOのジェン・スクーラーさんによると、旬を重視して収穫しているからだという。
「ニュージーランドでは、アボカドの収穫期は9月から1月までと決まっています。南半球にある現地は夏ですが、北半球の日本ではちょうど今、冬が旬なのです。しかも日本には等級の高いものを厳選して出荷しています」
実はアボカドは、加熱すると里芋のようにねっとりして旨みが増し、炊き込みご飯(写真上)やグラタンなどにも向く。この冬は、旬のアボカドで料理を楽しみたい。