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鍋料理はもちろん、煮込み料理や蒸し煮も、土鍋を使えばおいしく仕上がる。今回は土鍋の優れた保温力を利用し、短時間の加熱でできる「おでん」の作り方をご紹介しよう。

おでんの煮込み時間は通常、1時間ほどが目安だ。時間をかけて火を入れ、充分に味を染み込ませるためである。しかし、土鍋の優れた保温力を利用し、短時間の加熱で済む方法がある。

その手順はこうだ。土鍋に材料を入れ、沸騰したら火を止めてしまう。そして、すぐに土鍋を新聞紙と大きめのタオルで包む。土鍋を二重にくるむことで、土鍋内は高温を長時間保ち続ける。昼間に仕込んでおけば、夕飯どきに食べ頃を迎えるという算段だ。
16ページに登場した『長谷園』の長谷康弘さんは、こう話す。

「余熱を利用した調理は、土鍋が最も得意とするところ。煮物は火を止めたあとに味が染み込むとよくいわれますが、高い余熱を保ち続ける土鍋は、よりじっくりと味を含められるのです」

余熱だけで具材の芯まで味が染みたおでんは、想像以上のおいしさ。加熱時間が短いから省エネが可能なうえ、煮すぎてしまう失敗もない。この冬の定番に加えたい。

次のページからはそのレシピをご紹介。

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