淹れ方ひとつで味わいが異なるのが日本茶。茶葉に合わせた淹れ方のコツを、東京の気鋭店で訊いた。
煎茶
ナカムラティーライフストア(東京・蔵前)
70~75度のお湯で1分が基本。茶葉の風味の違いを楽しむ
静岡県藤枝市にある無農薬有機栽培の茶農家・中村家のお茶を扱う店舗として5年前に開業。煎茶は力強いコクがあるもの、バランスの取れたもの、すっきりと飲みやすいものの3種類があり、それぞれ収穫する畑が異なる。茶葉はすべて「やぶきた」品種だが、畑や収穫時期、加工の違いで味の個性があることを、店主の西形圭吾さん(39歳)が丁寧に淹れるお茶で確かめることができる。
「お茶に親しみたいという若い方に基本の淹れ方を指南しています」と話す西形さん。70~75度のお湯で1分、茶処・静岡が誇る煎茶の旨味が楽しめる。
抹茶
THE MATCHA TOKYO(東京・表参道)
まるごと服す抹茶こそ有機栽培茶を。夏は牛乳を加えて「ラテ」も美味
抹茶の様々な味わいを楽しめる店として2年前に開業。京都府宇治と、鹿児島県霧島にあるふたつの農園と提携し、同店専用に有機栽培した一番茶のみを丁寧に手摘みし、石臼碾きにした稀少な抹茶数種を独自に調合。旨味や渋みがしっかりとした宇治産はストレートで、濃厚な味わいと濃い色味が特徴の霧島産は、牛乳などを加えるラテで楽しめる。
「きめ細かな泡立ちの抹茶は口あたりが良く、風味豊かで甘みを感じます。点てる前に抹茶を篩うひと手間が肝心です」と、代表の長田昌宏さん(50歳)は話す。
有機JAS認証の抹茶は店内で味わうほか、購入もできる。
●掲載店の営業時間、休業日は変更になる場合があります。
※取材・文/関屋淳子、田喜知久美 撮影/宮地 工 この記事は『サライ』本誌2020年7月号より転載しました。