文・写真/山本益博
このほど出版された『ミシュラン東京2018』で、神宮前の『傳』が2つ星に復活しました。正統派の日本料理ではなく、グローバルな視点から捉えた日本料理です。
たとえば、フォアグラといぶりがっこを組み合わせて最中にする。昆布と鰹節で出汁を引くのではなく、魚のアラと野菜のクズで出汁をとる。果敢に外国へ出かけて、コラボのディナーから学んだことを『傳』で実証してみせた結果を評価されたのだと思います。
早速出かけてみると、フォアグラ最中、デンタッキー、畑の様子と言う名のサラダなど、名物料理は健在。ユリ根とたけのこ、金目鯛と里芋、牛肉とケールといった意外な組み合わせの妙味、ポルチーニ茸を炊き合わせごはんにするなど、自由自在な日本料理を楽しめました。
お客様の半数は外国人です。最後の食事で白いごはんだとほとんどの方は味がないと、残されるそうですが、味のついた具材のはいったごはんはお代わりする方までいらっしゃるとのこと。今日もヨーロッパのお客様がポルチーニ茸のごはんを美味しそうに召し上がっていました。
【今日のお店】
『傳』
住所:東京都渋谷区神宮前2-3-18建築家会館JIA館
電話:03-6455-5433 予約受付時間 12:00-17:00
定休日:日曜日
http://www.jimbochoden.com/
文/山本益博
料理評論家・落語評論家。1948年、東京生まれ。大学の卒論「桂文楽の世界」がそのまま出版され、評論家としての仕事をスタート。TV「花王名人劇場」(関西テレビ系列)のプロデューサーを務めた後、料理中心の評論活動に入る。