
いつも作っている定番おかずを少しアレンジしたい! そんなときに頼りにしたい一冊が、フレンチの巨匠・三國清三シェフ初めての家庭料理本となる『ザ・シェフ三國の究極家庭おかず』(主婦の友社)です。
三國シェフならではのアイデアが盛り込まれた家庭料理のレシピを惜しげもなく公開されています。どれも、毎日の食卓に並べても飽きないおかずばかりです。
今回は、『ザ・シェフ三國の究極家庭おかず』の中から、「まんまるコロッケ」のレシピを紹介します。
さて、三國シェフに家庭料理で気を付けることを聞いたところ、「家庭料理であまり意識されていないと感じるのが、こしょうです。料理によって、白こしょうと黒こしょうをしっかり使い分けることが大切。そうすることで味のメリハリがつきます。それから、ソース類はできあいのものをうまく使いましょう。料理は見た目も大事ですから、盛りつけにも少し意識してみてください」とのこと。
三國シェフのアドバイスも頭に入れて、ぜひ、「まんまるコロッケ」づくりにチャレンジしてください。
「まんまるコロッケ」レシピ公開

いつものポテトコロッケも、形を変えればがらりと印象が変わります。スパイスを効かせたトマトソースを敷いて、おしゃれなひと皿に。バジルなどのグリーンを添えて目にも鮮やかに仕上げましょう。
[材料]2人分

[作り方]
1.じゃがいもはまるごと蒸し、熱いうちに皮をむく。

ボウルに入れてつぶし、バターを混ぜる。
※電子レンジ加熱でもOK。ゆでる場合はよく水けをきる。ゴロッとした食感を残しても、なめらかにつぶしてもおいしい。
2.フライパンを強火で熱し、ひき肉を炒める。火が通ったら塩、こしょう(各ひとつまみ)し、クミンを加え、火
からおろす。粗熱がとれたら1.に加えて混ぜ、2等分して丸める。

小麦粉、卵、パン粉の順に衣をつけ、丸く成形する。


※時間があれば、ラップをかけて30分ほど冷蔵室で冷やすとよい。
3.フライパンに材料Aを入れて中火にかけ、香りが立ったら玉ねぎを加え、しんなりするまで炒める。トマトを加えて強火にし、煮立ったら中火にして混ぜながら10分ほど煮る。塩、こしょう、好みのスパイスを加えて混ぜる。
4.170度に熱した油に2.を入れ、表面が固まったら回転させ、カリッと揚げて油をきる。3.を器に敷き、コロッケを盛る。バジルを添える。

[ミクニ流Point]
たっぷりの油で揚げる。具材には火が通っているので表面が色づけばOK。
ミクニ流 家庭料理の極意
●盛りつけは高さを意識すべし。見た目で料理はぐっと引き立つ

食欲をそそるために見た目はとても大事です。盛りつけしだいで料理はぐんと「映え」るもの。簡単にできる技を一つご紹介。それは高さを出すこと。パスタでもサラダでも中央が高くなるように皿にのせてみましょう。ポイントになる食材はあらかじめとり分けておき、最後に目立つ位置におくのもよいですね。本書の撮影では、家庭でできるようあえてこらずに盛っているので、ぜひ参考にしてみてください。
●冷凍野菜は活用すべし。冷凍「だから」おいしくできることも
最近、スーパーの冷凍食品コーナーが充実しています。うどんやシーフードミックスだけでなく、野菜やカットフルーツなど種類も多彩。本書では、ブロッコリーと、みじん切りの玉ねぎなどを活用。価格が安定していて、使いたいときに必要量だけすぐ使えることがメリットですが、それだけではありません。冷凍のまま使うことで、食感が残ったり、色が変わらなかったりなど、実は「冷凍だからこそ」の魅力があります。市販品だけでなく、残った野菜を新鮮なうちに冷凍にしておくのも手です。
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ザ・シェフ三國の究極家庭おかず
著/三國清三
主婦の友社 1,980円(税込)
三國清三
フランス料理シェフ。1954年北海道増毛町生まれ。15歳で料理人を志し、札幌グランドホテル、帝国ホテルにて修業後、1974年駐スイス日本国大使館料理長に就任。その後、三つ星レストラン数店で修業を重ね帰国。1985年東京四ツ谷にオテル・ドゥ・ミクニ開店。2015年日本人料理人として初めて仏レジオン・ドヌール勲章シュヴァリエ受章。2022年オテル・ドゥ・ミクニ閉店。2025年9月四ツ谷に三國を再オープン。2025年黄綬褒章受章。食育活動やスローフードの普及活動にも力を注ぐ。
