パフェがおいしく美しく、進化を遂げている。旬のフルーツ、コク深い生クリームにアイスクリーム。
子どもの頃に味わった懐かしい高揚感を、小さなグラスの中に探しに行きたい。
パフェに花椒、豆板醤、胡麻油!? 主役のフルーツを際立たせる中華食材に驚く

組み合わせの意外性が楽しい。山梨県産の苺は甘みが強く、スパイシーな刺激で香味が深まる。2500円。
山梨県韮崎市は甲府から電車で約10分、都心から若い移住者が増えている街。松野宏之さん、幸さん夫妻もデザインの仕事から心機一転、パフェの店を開いた。
席にはパフェの16の構成要素が書かれた紙が置かれ、その中に花椒(ホワジャオ)、青梗菜(チンゲンサイ)、豆板醤(トウバンジャン)の文字が。訝しんでいると、登場したパフェの美しさにまず驚く。上層は甲府の苺農家「苺屋あとりゑ」の香り高い苺のおいしさがストレートに味わえ、下へ向かうにつれて中華の刺激がやってくる。ピリッと心地いい花椒の辛みと青梗菜の食感、胡麻油の香りが苺と合うとは。「中華食材は奇をてらったわけではなくて、すべてが必要不可欠だったんです」と幸さん。
苺パフェは季節によって構成要素が変わり、カルダモンやジェノベーゼソース(バジルやにんにく入りのソース)を使ったものも人気。宏之さんがパフェに合わせてブレンドしたコーヒーを飲めば、味わいの小宇宙が完成する。
Parfait tokidoki(パフェ トキドキ)

山梨県韮崎市本町1-2-11
電話:なし
営業時間:11時〜17時
定休日:水曜、木曜、金曜ほか不定休あり 14席。
交通:JR中央本線韮崎駅より約5分
※パフェはInstagram(@tokidoki_parfait)からの事前予約制。
取材・文/石出和香子 撮影/宮濱祐美子

