パフェがおいしく美しく、進化を遂げている。旬のフルーツ、コク深い生クリームにアイスクリーム。
子どもの頃に味わった懐かしい高揚感を、小さなグラスの中に探しに行きたい。
名料亭の主人がプロデュースする素材と季節感あふれる和パフェの最高峰

濃厚で口溶けの良い抹茶アイスが主役の甘みと苦みのバランスが絶妙の抹茶パフェ1980円。
あまおう100%のソルベとフレッシュいちごに甘酸っぱいソースをかけた季節限定いちごパフェ1760円。
老舗にしてしなやかな革新を続ける料亭『菊乃井』の本店の隣で、弁当と甘味を出す『無碍山房(むげさんぼう)』。無碍とは何事にも囚われない様を意味し、3代目主人の村田吉弘さんが思いのままに内装や庭のデザインを考え、数寄屋の名工「中村外二工務店」が建築設計を手がけた。料亭の緊張はここにはなく、優しくて凛とした山荘のような趣だ。
客のほとんどが注文するパフェも村田さんが監修。素材が際立つ和のスイーツに仕立てられている。宇治抹茶を大量に使用したパフェは、抹茶アイス、カステラ、抹茶ゼリー、小豆のいずれも自家製で、お濃茶を想わせる濃厚にして上質な甘味。春限定のいちごパフェは、半分にまで煮詰めた牛乳のアイスクリームを合わせ、練乳いちごのような懐かしい味を生んでいる。4月には庭の枝垂れ桜が満開になり、京都の春も満喫できる。
無碍山房

京都市東山区下河原町通高台寺北門前鷲尾町524
電話:075・744・6260
営業時間:11時30分〜17時(営業終了18時)、食事は〜13時(最終入店)
定休日:火曜(祝日は場合は水曜) 22席。
交通:京阪電車祇園四条駅下車、徒歩約15分
取材・文/西村晶子 撮影/内藤貞保

