京料理や野菜、湯葉、豆腐、和菓子など京の食材が上質さを保ちながら発展するのは、地下深くにたゆたう清らかな水の力といっても過言ではない。古から都を潤してきた京の水は、今も満ちて京の食を高めていく。

亀屋良長|水によって発展した京菓子 口にして水本来の風味を感じる

「醒ヶ井 水あんみつ」594円。「烏羽玉」を崩して、寒天と一緒に味わうのがおすすめ。

『亀屋良長(よしなが)』が菓子作りに用いる地下水は、京の三名水のひとつ「佐女牛井(さめがい)」と同じ水脈の名水。店のある通り名から「醒ヶ井(さめがい)の水」と名付けられた。鉄道工事などで、一時期水源が途絶えたが、その後、再度深部まで掘り返して復活させた。創業の享和3年(1803)以来、多くの菓子にこの水は使われてきた。なかでも、水の味が直接風味を左右する「餡作り」には欠かせない。

店外にある「醒ヶ井」。店を訪れた人が自由に水を汲めるよう開放されている。毎日、この水を汲みにくる近隣の住民もいる。

「小豆を洗う、浸す、煮る、蒸すとさまざまな場面で水を用います。そういう意味では、和菓子屋は水を売る商売といえるかもしれません」と言うのは、8代目店主の吉村良和さん(44歳)。

宝石のように美しい代表銘菓「烏羽玉」540円(6個入)。黒糖を加えた餡に寒天と芥子の実をかけた。
ナッツやドライフルーツをのせた秋の羊羹「山の幸」1620円。

創業以来販売する代表銘菓「烏羽玉(うばたま)」は、沖縄・波照間産の黒糖を加えた餡の瑞々しい口溶けを実感できる一品だ。2022年には、「この水の美味しさをより活かしたい」と「醒ヶ井 水あんみつ」を発表。水に寒天と少しの砂糖を加えて流し固め、烏羽玉やフルーツ、黒糖蜜を添えた。口に運ぶとするりと溶け、水そのものを味わっているのかと錯覚するほど。

「自然の恵み、当たり前ではない水のありがたみを食べる方にも感じてもらえれば」と言う。

亀屋良長

京都市下京区四条通油小路西入柏屋町17-19
電話:075・221・2005
営業時間:9時30分~18時(茶房11時~17時)
定休日:年始のみ
交通:阪急京都線大宮駅下車、徒歩約5分

 

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