ほんの少しご飯にのせるだけで、格別なおいしさと贅沢な気分をもたらすのが「めしのせ」。鰹節、梅干し、佃煮といった、普段は脇役の「めしのせ」を主役に仕立てる注目店を案内。

梅と星 (東京・浅草)

「おともみくじ定食」1320円は、ご飯、豚汁、梅干し、浮浮卵(ふわふわたまご)に、おみくじで出た神様(3種のめしのせ)が付く。恵比寿が出た場合は、手前から二色納豆、鮭粗ほぐし、大根のたまり漬け。

おみくじに見立てた、七福神が描かれた7本のしゃもじから、1本を選ぶ。しゃもじに描かれる神様で、常時21種類が用意された〝のっけ〟(ご飯のおとも)の3種が決まる。毘沙門天が出れば海苔・ねぎとろ・いぶりがっこ。寿老人なら塩昆布・明太子・そぼろ納豆という具合だ。さらに3種ある梅干しからひとつが選べ、豚汁なども付く。

甕(かめ)に入った7本のしゃもじから1本を引き抜く。描かれた神様の“のっけ”は備え付けの用紙に記されている。

その名も「おともみくじ定食」は名前や提供の仕方こそユニークだが、味は本格的だ。ご飯は3種の銘柄をブレンドした米を、羽釜でほぐれやすい固さに炊き上げる。

恵比寿以外の“のっけ”。みな、ほどよい分量で、ご飯にもお酒にも合う。

好みの“のっけ”を選ぶことも

全国から仕入れる“のっけ”は納豆、明太子などの定番だけでなく、熊本の南関揚げ山椒、口溶けのよい白いバターといった変わり種も。なにより、これほどまでの種類が一軒で揃うのがよい。好みののっけを自由に選べる定食もあり、ちょっと酒で……という気持ちももたげてくる。

「ビールに日本酒、梅干しサワーもありますので、おつまみにもどうぞ」と、店員の田宮広野さん(33歳)。ご飯好きにも飲兵衛にも使い勝手のいい店だ。

羽釜の前に立つ、店員の田宮さん。「ご飯はおかわり無料です。心ゆくまでご飯とのっけを味わってほしい」と語る。

梅と星

住所:東京都台東区浅草2-2-4
電話:03・4400・8620
営業時間:9時〜17時(平日15時最終注文、土日祝16時30分最終注文)
定休日:月曜
カウンター14席
交通アクセス:東京メトロ銀座線浅草駅から徒歩約3分

取材・文/武内しんじ 撮影/貝塚 隆
※この記事は『サライ』本誌2024年3月号より転載しました。

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