世界最薄0.01mmの鰹節がご飯の上にふんわり、たっぷり『鰹節丼専門店 節道 BUSHIDO TOKYO』【「めしのせ」が主役を張る店】

ほんの少しご飯にのせるだけで、格別なおいしさと贅沢な気分をもたらすのが「めしのせ」。鰹節、梅干し、佃煮といった、普段は脇役の「めしのせ」を主役に仕立てる注目店を案内。

鰹節丼専門店 節道 BUSHIDO TOKYO （東京・淡路町）

鰹節ご飯、いわゆる“ねこまんま”だが、まずは見た目に驚かされる。わっさわっさとご飯の上にのった鰹節は、わずかな振動で舞い散ってしまうほど薄い。その薄さ0.01mm。一般に鰹節の厚さは0.03mm以上と聞くと、それほど違いはなさそうだが、とろけるような舌ざわりに大きな影響を及ぼす。使う鰹節は、最高級とされる、高知県土佐市の『竹内商店』の本枯節（※）のみ。これを特別な削り機で極薄に仕立てる。

※乾燥とカビ付けをくり返し、３か月以上、熟成させたもの。

この鰹節のために選ばれた米は、京都の米専門店で米料亭でもある『八代目儀兵衛』から仕入れる搗（つ）きたて米だ。醬油も自社製で、まろやかな味わいの出汁醬油を使用する。鰹節の香りと旨み、米の甘み、醬油の風味が口の中で一体となり、つい顔がほころぶ。

旨さを最大限に引き出す工夫

素材を吟味すれば、この味になるわけではない。鰹節は、香りが際立つよう削りたてのみを使う。ご飯もこの鰹節と合わさるよう、口の中でほぐれやすい固さに炊く。添えられるおばんざいなども然りで、ご飯を引き立てる味わいになるものを用意。素材の力に加え、そのよさを引き出そうとする追求心が、ねこまんまを、素朴ながらも贅沢な一品に変える。

鰹節丼専門店 節道 BUSHIDO TOKYO

住所：東京都千代田区神田淡路町１-15-12
電話：03・6841・7422
営業時間：７時〜15時（14時30分最終注文）、17時30分〜22時（予約のみ）
定休日：無休
交通アクセス：東京メトロ千代田線新御茶ノ水駅B３a出口から徒歩約２分、東京メトロ丸ノ内線淡路町駅・都営新宿線小川町駅A７出口から徒歩約３分

＊　＊　＊

東京の片隅で夜だけ営業する「めしのせ食堂」を舞台にした、山口恵以子さんの新作小説。身近に起こりうる10編の物語と、そこに登場する「ご飯のおとも」の商品情報を、写真とともに紹介した“小説とお取り寄せ情報”の二本立て。商品のセレクトはご飯のおとも専門家として活躍する長船クニヒコさんによる。読んで満足、取り寄せて満腹になる、おいしい一冊をぜひお手元に。