一般的に、金融商品の売買には手数料がかかることがほとんどですが、NISA口座(少額投資非課税制度)でも手数料はかかるのでしょうか? せっかく投資をしても手数料が高く、いわゆる「手数料負け」してしまうようでは元も子もありません。今回は、NISAの「手数料」や投資信託にかかる費用について詳しくみていきましょう。

100歳社会を笑顔で過ごすためのライフプラン、ライフブック(R)(https://www.smilelife-project.com/)を提唱する、ファイナンシャルプランナー・藤原未来がわかりやすく解説します。

目次
NISAの手数料
NISAの手数料が無料のケースが多いのはなぜ?
投資信託にかかる費用とは
まとめ

NISAの手数料

最初に、NISA口座自体に関してですが、NISA口座の開設手数料や口座管理手数料のような費用はかかりません。ですので、NISA口座を開いただけではとくに手数料は発生しません。NISA口座で投資信託などの金融商品を購入することによって、手数料がかかることになります。

NISA口座の「つみたて投資枠」と「成長投資枠」において、購入できる金融商品の範囲が異なるため、それによって手数料のかかり方も以下のように違ってきます。

<つみたて投資枠>

つみたて投資枠で購入できる商品は、ノーロード型(買付手数料無料)の投資信託となっていますので、買付手数料がかかりません。後述で詳しく説明いたしますが、投資信託には信託報酬や信託財産留保額などの手数料がかかります。

<成長投資枠>

成長投資枠で購入できる商品は投資信託のほか、個別の上場株式やETF(上場投資信託)なども購入できます。

投資信託

投資信託にかかる手数料は、ファンド(投資信託の商品)ごとに異なります。ネット証券では、買付手数料がほぼ無料となっていますが、ネット証券以外の証券会社や銀行などの金融機関では、買付手数料がかかるケースが多くみられます。

買付手数料の他にも、信託報酬(保有している間にかかる手数料)や信託財産留保額(解約時にかかる手数料)などの手数料がかかります。

個別の株式やETF

個別の株式やETFを売買する際も、ネット証券では無料であるケースもありますが、手数料がかかるケースが多くみられます。販売している金融機関によって異なりますので、新たにNISA口座を開設する際には、金融機関選びのポイントの一つとすると良いでしょう。

なお、売買手数料が無料の取引でも、金融商品仲介業者(IFA)を介して購入する場合は、通常の手数料体系とは異なります。手数料がかかるケースもありますので、十分に説明を受けた上で利用することをおすすめいたします。

NISAの手数料が無料のケースが多いのはなぜ?

NISAの売買手数料が無料のケースが多いのは、主に以下の3つが考えられます。

国の政策目的にかなう

NISAは、預貯金で保有している資産を資産運用することで、個人の資産形成を促進するための税制優遇制度です。手数料を無料にすることは、個人が気軽に資産運用を始めやすくし、NISAを利用する人を増やすことが期待されます。このため、国の政策目的にかなう形になると考えられます。

制度の普及促進のため

NISAを利用する人が増えれば、資産運用市場が活性化し、金融機関や証券会社にとっても新たな顧客獲得の機会となります。手数料を無料にすることは、個人投資家を引き込んで市場の拡大を促進する一環として考えられています。

競争力維持

複数の金融機関や証券会社がNISAを扱っており、競争は激しくなっています。手数料が無料であることは、顧客を引きつけ、競争力を維持するための手段の一つとなっています。

このように、手数料無料であることは、NISAを普及しやすくし、多くの個人が資産運用を取り入れやすくするための戦略の一環といえます。ただし、投資にはリスクがともなうため、NISAを利用する際には十分な情報収集やリスク管理が重要です。

投資信託にかかる費用とは

投資信託の手数料は、ファンド(投資信託の商品)ごとに設定されており、その割合はファンドによって異なります。投資信託にかかる手数料は、代表的なものとして以下の3つがあり、購入するとき・保有している間・解約するときのそれぞれに手数料がかかります。

1. 買付手数料
2. 信託報酬
3. 信託財産留保額

<図表1>投資信託にかかる手数料の目安

株式会社SMILELIFE projectにて作成

それぞれについて詳しく見ていきましょう

買付手数料

買付手数料は、投資信託を購入する際に販売会社に支払う手数料で、購入代金とは別に支払います。購入代金に所定の料率をかけた金額を負担することになりますが、NISA口座ではつみたて投資枠は、この買付手数料が無料のいわゆる「ノーロード型」のファンドとなっています。

成長投資枠のファンドは、ネット証券では買付手数料が無料であるケースがほとんどです。しかし、ネット証券以外の証券会社や銀行などの金融機関では、買付手数料がかかるファンドがあります。ちなみに、同じファンドであっても、販売会社によって異なることがありますので注意が必要です。

信託報酬

信託報酬は運用管理費用とも呼ばれ、投資信託を保有している間にかかる手数料です。基準価額と信託報酬率をもとにした日割り計算で、日々の信託報酬が算出されます。信託財産から間接的に、販売会社・運用会社・受託会社へ支払われています。購入手数料とは異なり、運用期間中毎日かかる手数料ですので、長期間保有する場合は実質的な利益に与える影響も大きくなりますので、注意が必要です。

信託財産留保額

信託財産留保額は、投資信託の解約時に支払う手数料で、解約代金に所定の料率をかけた金額を負担します。手数料は、販売会社や運用会社に別途支払うのではなく信託財産中に留保されるもので、基準価額に反映されます。信託財産留保額がかからないファンドや購入時にかかるファンドもあるため、目論見書などで確認しておきましょう。

まとめ

投資によって資産形成をする際には、かかる手数料について把握しておくことは重要です。手数料が高いことで得られる利益が思ったよりも少なくなるということがないように、どのような手数料かかかるのかあらかじめ必ず調べておきましょう。

NISAは、資産運用する人にとって必須アイテムと言えますが、投資にはリスクがあります。ルールを理解した上で、非課税のメリットを生かすために上手にNISAを活用していきましょう。

資産運用や投資のアドバイスは、今や銀行などの金融機関の窓口でもさかんに行なわれています。同時に、インターネット上でもYouTubeやSNSを通じて色々な人がそれぞれの立場から投資術などを発信しています。しかし、それらのアドバイスは本当にあなた自身に適したものなのでしょうか? 

さまざまな金融商品が出回っている世の中だけに、あなたの味方になって守ってくれる相談相手を持つことが必要な時代になっています。

保険や金融商品を「販売しない」独立系のFPは、中立的かつ客観的な立場から相談に乗り、あなたのライフプランに合った正しい選択肢を示してくれます。

●取材協力/藤原未来(ふじわらみき)

株式会社SMILELIFE project 代表取締役、1級ファイナンシャルプランニング技能士。2017年9月株式会社SMILELIFE projectを設立。100歳社会の到来を前提とした個人向けトータルライフプランニングサービス「LIFEBOOK®サービス」をスタート。米国モデルをベースとした最先端のFPノウハウとアドバイザートレーニングプログラムを用い、金融・保険商品を販売しないコンサルティングフィーに特化した独立フランチャイズアドバイザー制度を確立することにより、「日本人の新しい働き方、新しい生き方」をプロデュースすることを事業の目的とする。
問い合わせ先:03-6403-5390(株式会社SMILELIFE project)

株式会社SMILELIFE project(https://www.smilelife-project.com

●編集/京都メディアライン(HP:https://kyotomedialine.com FB

 

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