文/鈴木拓也

「すいとん」という言葉を聞いて、懐かしく感じる人は多いのではないだろうか。
筆者も少年の頃、祖母にすいとんを作ってもらった記憶がよみがえる。
すいとんは漢字で「水団」と書き、少なくとも江戸時代には存在していた伝統食である。いまも一部地域では郷土料理として親しまれるなど、決して忘れ去られた料理ではない。

さて、そんなすいとんの魅力にひかれたのが、料理家・写真家のminokamoさん。すいとんとの出合いは、群馬県甘楽町にある道の駅。そこで、特産品の小麦粉を生かしたレシピを開発することになり、そのときに出されたすいとんが、そもそもの縁。

簡単に調理でき、「現代版ファストフード」と言えるすいとん料理を広めようと、minokamoさんは、独自のレシピを多数開発した。それらを1冊にまとめたのが、著書『粉100、水50でつくる すいとん』(技術評論社)である。

本書は、イタリアのパスタ料理を彷彿とさせる洋風すいとん、昔ながらの郷土料理も含む和風すいとん、アジア風すいとんにおやつすいとんと、バラエティ豊かに40点あまりが掲載されている。

今回は本書から3つのレシピを紹介しよう。

「トマトとさばのアラビアータ」

「トマトとさばのアラビアータ」
(写真:長野陽一)

赤とうがらしで辛味を効かせたさばのトマトソース。さばの代わりにひき肉を使ってもOKだそうだ。

【材料(1~2人分)】
・さば水煮缶:1缶(200g)
・玉ねぎ:1/2個
・トマト水煮缶(カットタイプ):1/2缶(100g)
・水:200ml
・オリーブオイル:大さじ1と1/2
・しょうゆ:大さじ1
・赤とうがらし:1本(お好みで。なくてもよい)
・にんにく:1片(お好みで。なくてもよい)
・すいとん生地:1玉(約150g)…詳細は本書に譲るが、小麦粉100gと水50gをボウルにいれて1分半程度こね、10分ほど寝かしてつくる。

【つくり方】
1 玉ねぎは繊維に沿って1cm幅に切る。赤とうがらしは種を除き、にんにくはみじん切りにする。
2 フライパンにオリーブオイルを熱し、玉ねぎ、にんにくを入れて強火で炒める。途中で赤とうがらし、しょうゆを加えてさらに炒める。
3 玉ねぎに火が通ったらトマト水煮、水を加えて弱火にし、すいとんをちぎって入れる。
4 さば水煮を加え、再度強火にして時々かき混ぜながら煮詰める。ソースが全体に絡む程度まで水分を飛ばしてできあがり。

「蕎麦屋のカレー」

「蕎麦屋のカレー」
(写真:長野陽一)

とろみと和風だしが特徴の蕎麦屋で出されるカレー。こちらのレシピも、その特徴を生かしてすいとん版へとアレンジ。

【材料(1~2人分)】
・豚バラ肉:100g
・片栗粉:小さじ1(小麦粉でも可)
・玉ねぎ:1/2個
・長ねぎ:10cm
・好みの油:大さじ1
・しょうゆ:大さじ1
・みりん:大さじ1
・カレールー:1片(約20g)
・七味とうがらし:適量(お好みで。なくてもよい)
・すいとん生地:1玉(約150g)
・A(だし)―水:200ml、だし用こんぶ:10cm(市販のだしの素でも可)

【つくり方】
1 豚バラ肉は食べやすい大きさに切ってボウルに入れ、しょうゆと片栗粉を加えて混ぜる。玉ねぎは繊維に沿って1cm幅に、長ねぎはななめに1cm幅に切る。カレールーは粗く刻む。
2 フライパンに油を入れて熱し、豚バラ肉を炒め、途中で玉ねぎを強火で炒める。Aを鍋に入れて中火で加熱しながら、すいとんをちぎって入れる。沸騰したら弱火にし、豚バラ肉、玉ねぎを加えて混ぜ、もう一度沸騰させてアクをすくう。
3 ねぎとカレールーを入れ、5分煮たらできあがり。好みで七味とうがらしをふる。

「スパイスぜんざい」

「スパイスぜんざい」
(写真:長野陽一)

白玉だんごに代えて、すいとんを使ったスパイシーなぜんざい。温かくしても、冷やしても楽しめる。

【材料(1~2人分)】
・ゆで大豆:100g
・A-シナモンスティック:1本(なくても可、パウダーでも可)、カルダモン:2粒(なくても可)、しょうが:スライス1枚、砂糖:30g、水:100ml
・塩:ひとつまみ
・すいとん生地:約25g/ココア生地:約25g(ココア生地は1単位=薄力粉50g、水25g、ココアパウダー3gでつくる)

【つくり方】
1 カルダモンは手でほぐしておく。鍋にAを入れて中火にかけ、沸騰したら弱火にして5分間煮出す。ゆで小豆と砂糖を入れてひと煮立ちさせ、火を止める。
2 別の鍋に水(分量外)を入れて中火で加熱する。沸騰する少し前からすいとんをちぎって入れ、ゆで始める。沸騰したら弱火にする。親指と人差し指で生地をつぶすようにして、できるだけ薄くするとよい。5分ゆでてザルにあげる。
3 ゆであがったすいとんを1に入れてできあがり。1で作ったぜんざいは半日程度寝かせておくと、よりスパイスの風味が出る。

* * *

著者のminokamoさんは、「すいとんの魅力は何を入れてもいいところです。そのときある季節のものを野菜でも肉でも、食べたいだけ入れていい」と記している。本書を参考にしつつ、自分だけのオリジナルなすいとん料理にもチャレンジしてはいかがだろうか。それはきっと、あなたの食生活を豊かなものにしてくれるはずである。

【今日のおいしい1冊】
『粉100、水50でつくる すいとん』

minokamo著
技術評論社

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文/鈴木拓也 老舗翻訳会社役員を退任後、フリーライター兼ボードゲーム制作者となる。趣味は神社仏閣・秘境巡りで、撮った映像をYouTube(Mystical Places in Japan)に掲載している。

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