台湾人の両親をもち、東京生まれ東京育ちの斉風瑞(さい・ふうみ)さんは、「中華風家庭料理 ふーみん」で45年以上厨房に立ち続けた料理人。ふーみんさんが得意とするのは和食材を生かした台湾風家庭料理。そこで、ふーみんさんの著書『青山「ふーみん」の和食材でつくる絶品台湾料理』から、合わせる食材を選ばない万能だし「肉だし」の作り方と、肉だしを使った手軽なスープのレシピをご紹介します。
文/斉風瑞
肉だしの作り方
材料(つくりやすい分量)
鶏ももひき肉…100g
豚ひき肉…100g
水…1.2L
作り方
1.ひき肉を60℃の湯でほぐす
ボウルにひき肉を合わせ入れる。60℃ぐらいの湯(分量外)をひたひたに注ぎ、箸でほぐす。箸を5本同時に使うと、ほぐす時間が短縮できる。
2.沸騰したら鍋にほぐしたひき肉を入れる
火加減は強火。鍋の水が沸騰したところに、ボウルのひき肉を流し入れる。先に湯でほぐしてあるので、熱湯に入れても肉の繊維の縮みが少ない。
3.鍋の中を手早くかき混ぜる
ひき肉同士がくっつかないように鍋の中を箸で大きくかき回す。
4.アクを丁寧にすくう
再び沸騰寸前になったら火を弱めて中火にし、アクを丁寧にとる。
5.ひき肉を取り出し、だしを弱火で煮込む
鍋からひき肉をとり出し、残った鍋のだしを弱火で5分ほど煮る。弱火で煮詰めることで、澄んだ肉だしができ上がる。保存容器に入れて冷蔵庫で保存する。
肉だしで作るごちそうスープ
たらのスープ
材料(2人分)
肉だし…400mL
たら(ひと口大に切る)…2切れ
豆腐(たらにあわせて切る)…1/2丁
青菜(3㎝長さに切る)…少々
わけぎまたは九条ねぎ(2㎝長さに切る)…1本
しょうが(薄切り)…2枚
油…小さじ1
A .酒…大さじ1
A .塩…少々
作り方
1 たらに塩(分量外)をふる。
2 油を入れた鍋を中火で熱し、わけぎとしょうがを軽く炒めて、肉だしを注ぎ入れる。
3 2が沸いたら残りの材料とAを入れ、火を弱めてひと煮たちする。必要であれば塩を加え、味を調える。
きのこのスープ
材料(2人分)
肉だし…400mL
ブラウンマッシュルーム
(2mm厚さに切る)…2~3個
エリンギ(拍子木切り)…1本
オリーブオイル…小さじ1/2
ごま油…小さじ1/2
A .酒…小さじ1
A .塩…小さじ1/2弱
作り方
1 鍋にオリーブオイルとごま油を合わせ入れ、きのこ類を炒める。
2 1に油が回ったら肉だしを注ぎ入れ、Aを加えて味を調える。
アボカドときゅうりのスープ
材料(2人分)
肉だし…500mL
アボカド(ざく切り)…1〜11/2個
きゅうり(皮をむいてざく切り)…1本
九条ねぎまたは長ねぎ(小口切り)…1/2本
塩…小さじ1/2強
A .紹興酒…大さじ2
A .レモン汁…大さじ1
こしょう…少々
オリーブオイル…適量
作り方
1 アボカド、きゅうり、九条ねぎ、そして肉だしと塩をミキサーにかける。材料がなめらかになったら、Aをミキサーに加えて、ひと混ぜする。
2 1を保存容器に入れ、冷蔵庫で冷やす。食べる直前にうつわに注ぎ、こしょうをふってオリーブオイルを回しかける。
春雨入りレモンスープ
材料(2〜3人分)
肉だし…600mL
春雨(もどして15㎝長さに切る)…40g
干ししいたけ(もどして細切り)…1枚
えのき(半分の長さに切る)…1/4袋
にんじん(せん切り)…1/4本
ゆでたけのこ(せん切り)…20g
ベーコン(せん切り)…1枚
かにの身…20g
A .酒…大さじ1
A .しょうゆ…大さじ1
A .塩…少々
A .こしょう…少々
レモン汁…大さじ3
水菜(あれば)
作り方
1 鍋に肉だしと野菜類、きのこ類、ベーコン、かにの身を入れて強火にかける。煮たったら火を弱め、アクをとる。
2 1に春雨、Aを入れて、味を調える。こしょうはたっぷりふったほうが、味は引きしまる。
3 レモン汁を加えてひと混ぜしたら、うつわに盛る。仕上げに水菜を散らしてもよい。
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『青山「ふーみん」の和食材でつくる絶品台湾料理』(斉風瑞 著)
小学館
斉風瑞(さい・ふうみ)
愛称は、ふーみん、ふーみんママ。台湾人の両親をもつ、東京生まれ東京育ちの料理人。1971年、25歳のとき東京渋谷区神宮前に「中華風家庭料理 ふーみん」を開店。1986年に現在の港区青山に移転。オーナーシェフとして約45年間厨房に立ち続けた。現在もときどき厨房に立ち、他のジャンルの料理教室へ通うなど、食への探求、新たなレシピの創造に精力的に活動。