最近は生で味わいたい食パンが増えつつあるが、まだまだトースト派が主流だろう。そこで、評判のオーブントースターの新製品2機種を取り寄せ、使い心地を確かめた。
具材とパンを最適に焼き上げる「アレンジトースト」機能を搭載
オーブントースター ビストロ NT-D700/パナソニック
厚切りや冷凍したパンをよく食べるサライ世代におすすめしたいトースターである。パンの厚さ(厚切り、薄切り)や温度(常温、冷凍)の状態に応じ、火加減や調理時間を計7200通りのプログラムで調整し、最適に焼き上げる。庫内では近赤外線と遠赤外線の2種のヒーターを細かく切り替えながら、外を焦がさず中までしっかり熱が通るよう、パンに合わせて時間と温度が自動調整される。
パン・料理研究家の荻山和也さんはこう語る。
「冷凍パンだと、外は焼けても中が冷たいということがよくありますが、これで焼くと芯まで熱々です。この細かな調節機能は、さすがパナソニックと感心しました」
15の自動メニューを搭載。具材をのせた「アレンジトースト」も手軽に完成する。今回はエッグトーストを作ってみた。
エッグトーストの作り方
1.厚切りパンのふちに沿ってマヨネーズで土手を作る。
2.マヨネーズの土手の中に卵を割り入れる。卵が流れ出るのを防ぐため、あらかじめパンの中央を凹ませておくのがコツ。塩、胡椒で味を調えれば準備完了。
3.メニューから「アレンジトースト」を選び、焼き加減はしっかり焼ける「4」に。焼き時間は約9分。黄身の中まで火を通したいときは、焼き加減を「5」にする。
4.スタートボタンを押すと、ヒーターが点いたり消えたりしながら、焦がさないようにじっくり加熱する。耳は焦げ、卵は半熟で、マヨネーズにもほどよい焦げ目が付いた。
スチームと細かい温度制御でチーズもパンもちょうどよく焼ける
バルミューダ ザ トースター/バルミューダ
「どんなパンでも、とにかくよく焼ける。バルミューダか、それ以外かというくらい、トースターの概念を変えてしまった製品です」
そう語る荻山和也さん。
一見シンプルな作りだが、スチームを使った温度制御機能を搭載する高性能トースターだ。使用前に注ぐ5㏄の水が肝要。庫内にスチームを充満させることで、パンの表面に薄い水分の膜を作り加熱する。細かな温度制御は、ヒーター管の点滅で見て取れる。最後に、焼き目がじんわり浮かべば完成だ。
パンの種類に合わせて4つの自動モードがあり、今回は「チーズトーストモード」を使ってみた。上火を強めにすることで、たっぷりのせたチーズにしっかり熱が入る。熱々のトーストから漂う香ばしい匂いが食欲をそそる。
チーズトーストの作り方
1.5ccの水を注ぐことで、加熱された水分がパンの表面を焼き、中の水分や風味を閉じ込める。スチームはトーストのほかに、クロワッサンなどの温め直しにも活躍する。
2.食パンの上に市販のシュレッドチーズをたっぷりのせる。モード選択ダイヤルをチーズトーストモードに合わせ、4.5~5分程度、好みの焼き色が付くまで加熱する。
3.チーズトーストモードでは、具材に熱が通るように上火が強くなる。ヒーターが強弱をつけながら庫内の温度を制御、スチームの霧が晴れると、ぐつぐつ焼けるチーズが見える。
4.さほどの手間もなく、美味しそうな焦げ目の付いたチーズトーストが完成。スチームの力でチーズの水分と味を逃さず、パンはふんわりと柔らかく仕上がった。
取材・文/宇野正樹 写真/植野製作所 スタイリング/有馬ヨシノ
※この記事は『サライ』本誌2021年5月号より転載しました。