2025年の大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」(NHK)は、江戸時代の傑出した出版業者である蔦屋重三郎(1750-97)を主人公にして、天明~寛政期の江戸の文化を描いています。
蔦重こと蔦屋重三郎は、喜多川歌麿や東洲斎写楽といった今や世界的芸術家を世に出したことで知られています。
東京国立博物館で開催の特別展「蔦屋重三郎 コンテンツビジネスの風雲児」は、大河ドラマ「べらぼう」とも連携し、江戸の街の様相や蔦重の出版活動をつぶさに紹介します。(4月22日~6月15日)

重要文化財 大判錦絵 寛政6年(1797)
東京国立博物館蔵
◎前期展示(4/22~5/18)
本展の見どころを、広報事務局にうかがいました。
「蔦重は江戸の遊廓や歌舞伎を背景にしながら、狂歌の隆盛に合わせて、太田南畝ら狂歌師や戯作者と親交を深めるなど、武家や富裕な町人、人気役者、山東京伝ら人気戯作者、北尾重政や勝川春草ら人気絵師のネットワークを縦横無尽に広げて、さまざまな分野を結びつけながら、出版業界にさまざまな新機軸を打ち出します。

東京国立博物館蔵
◎通期展示(会期中頁替えあり)
自身初の自主出版となる吉原細見『籬の花』、彩色摺大本『青楼美人合姿鏡』『古今狂歌袋』、喜多川歌麿画の狂歌絵本『画本虫撰』などヒット作を生み出しますが、なかでも喜多川歌麿を起用した大首絵「婦人相学十躰」は、江戸じゅうを沸かす大ヒットとなりました。

天明7年(1787) 東京国立博物館蔵
◎通期展示(会期中頁替えあり)
蔦重は、その商才をいかして、コンテンツビジネスを際限なく革新し続けました。そこに根差したものは、徹底的なユーザー(消費者)の視点であり、人々が楽しむもの、面白いものを追い求めたバイタリティにあるといえるでしょう」

寛政4~5年(1792~93)頃
東京国立博物館蔵
◎前期展示(4/22~5/18)
蔦重が創出した価値観や芸術性がいかなるものであったかを体感できる展覧会です。ぜひ足をお運びください。
【開催要項】
特別展「蔦屋重三郎 コンテンツビジネスの風雲児」
会期:2025年4月22日(火)~6月15日(日)
会場:東京国立博物館 平成館
住所:東京都台東区上野公園13-9
電話:050・5541・8600(ハローダイヤル)
展覧会公式サイト:https://tsutaju2025.jp/
開館時間:9時30分~17時、金・土曜日と5月4日(日・祝)、5日(月・祝)は~20時
(入館はそれぞれ各閉館30分前まで)
休館日:月曜日(ただし4月28日、5月5日は開館)、5月7日(水)
料金:公式サイト参照
アクセス:公式サイト参照
取材・文/池田充枝
