マネジメント課題解決のためのメディアプラットホーム「識学総研(https://souken.shikigaku.jp)」が、ビジネスの最前線の問題を解説するシリーズ。
10月、多くの会社で人事異動が行われたのではないでしょうか。組織の目指す姿に向かって戦略を立て、それに基づいた組織体制を構築した上で人事を配置をしていくものですが、その後のパフォーマンスについては正しいマネジメントが不可欠です。
異動後に速いタイミングで結果を出せる人はどのような人でしょうか。識学理論で解説していきます。
環境が変化する恐怖を早急に振り払う
人はある一定期間、ひとつの環境に身を置くと、未来永劫その環境が継続するという錯覚を起こします。ひとつの環境にいる時は、今の状態を何とかキープできれば、今の状態が維持できるという錯覚を起こすため、組織と個人の成長のために刺激を与える人事異動は有効な手段のひとつになります。
しかし、人は環境変化が発生した際に、必要以上に恐怖が発生することがあります。その人にとって、望まない人事異動であった場合は特に、自分は評価されていないのではないか、将来は暗いのではないか、結果を出せないのではないか、などといった不必要な恐怖が発生し、思考停止に陥りやすいです。
例えば、大災害で事業の継続が困難になった、コロナ禍で従来のやり方ができなくなったなど、環境変化が起こった際に、茫然と立ち竦むことがあります。そこで自ら変化することを忘れてしまうのではなく、新たな目標に向かって、日々地道な変化を続けなくてはいけないのです。だからこそ、災害からの復興を成しえ、コロナ禍も乗り越えてこられたのでしょう。
人事異動も同様で、不必要な恐怖をいち早く振り払って、新たな役割と責任を認識し、目標に向かい、すぐに毎日の取り組みを変化させねばならないのです。
新しい環境のルールをいち早く認識する
人事異動によって新しい環境になれば、その部署にはその部署のルールがあるはずで、そのルールをいち早く認識することが、異動後すぐに結果を出すための重要な要素となります。
ルールには出来る出来ないが存在しない「姿勢のルール」と、設定された目標やKPI(重要業績評価指標)など、変動要素のある「行動のルール」があります。どちらもいち早く認識すべきですが、大きな環境変化の際は、まずは「姿勢のルール」の100%遵守が優先になります。
異動後、迷いがあるなら即座に新しい上司にルールを確認し、自ら迷いのない状態をつくることです。上司側は部下側を迷わせないための明確なルール設定をしていることが求められます。
これらが出来ないまま、前の部署ではこうだったといった意識上の誤解錯覚を引きずると、新しい環境のルールを認識できないまま行動してしまい、パフォーマンスを低下させてしまうのです。
たくさん行動する
人事異動は、一定程度前の部署での経験があるため、実績のある人であればなおのこと、その経験に意識上引きずられやすいものです。経験があるからできるだろうという誤解錯覚です。
しかし、過去の経験は意識上の知識のようなものになり、できると思っていたことができなかったりすることが起こります。「前はこのやり方で上手くいったのにな」といった状態は、過去の経験が知識になり、知識偏重の思考停止に陥っていると言えます。
これを打開する唯一の方法は、新しい経験をすること、すなわち行動することです。行動量をたくさん増やすことができる人が、異動後に早く結果を出せる人と言えるでしょう。
希望が叶った人事異動の場合
会社の中で、自身がやりたかった仕事につけたなど希望が叶った人事異動であったとしても、実はここまで書いた内容と同じことが言えます。
新しい環境のルールに合わせているだけでは、自身の有益性は目減りしていくため、自ら変化していくことを忘れてはならず、日々地道な変化に取り組まなければならないのです。
まとめ
全てのものは変化するのが事実であり、天気も変われば、人も変わり、環境でさえ変化していくため、未来永劫同じ環境が続くことはあり得ません。
識学導入企業は、まず環境をいち早く認識する仕組みづくりができているため、環境変化に極めて強い体質の組織になっています。
異動があった個人の皆様におかれましても、本記事をご参考いただき、いち早く結果を出していただける一助としていただければ幸いです。
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