自己評価が高い従業員に対して、どのように指導すればよいのでしょうか? マネジメント課題解決のためのメディアプラットホーム「識学総研(https://souken.shikigaku.jp)」で、自己評価が高い従業員について、特徴や指導方法を学びましょう。

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自己評価が高い従業員への指導方法に悩んでいませんか。自己評価が高い従業員には特徴があり、放置しておくと企業の成長を止めてしまったり、周りとの連携がうまくいかなくなってしまったりと、デメリットが多くあります。

この記事では自己評価が高い従業員の特徴や勘違いしてしまう理由、識学ならではの自己評価が高い部下への接し方を紹介します。最後までお読みいただき、自己評価が高い従業員が自分自身を客観的に振り返り、企業の求める成果を出せるように促しましょう。

自己評価とは自分自身の現状を評価すること

自己評価とは自分自身の現状やスキルを、自分なりに評価することです。現在のスキルや達成したこと、課題を洗い出し、自らを成長させるために行います。

多くの場合、他者評価の前に行われ、まずは他者からの視点は入れずに自分ひとりで評価します。その段階で仮に自己評価が高いと「評価が甘い」とみられてしまい、「言ってもわからない」と思われてしまうこともあるでしょう。逆に自己評価が低いと自信を欠いてしまい、上司から「もっとできるはずなのにもどかしい」と思われてしまうかもしれません。

ようは自分を客観視し、バランスよく評価することが重要です。

自己評価が高いを言い換えると、「自尊心が高い」「高慢である」「自己顕示欲が強い」「過大自己評価」と表せます。周りの従業員から見て扱いづらいと思われてしまうケースもあるため、注意が必要です。

自己評価が高い人が持つ5つの特徴

ここからは自己評価が高い人が持つ特徴を5つ紹介します。

1.プライドが高い

自己評価が高い人は、自分は他者よりも優れているという自尊心があります。

過去の成功体験を思い返し「自分はなんでもできる」という強い誇りを持っているのです。しかし、実態を伴っていない場合は過大評価となり、「プライドが高いから評価を低くしたくない人」と思われてしまいます。

また、自己評価の高い人は自分の方法がうまくいっていると信じているため、仕事の進め方を変えようとする気があまりありません。素直に仕事ができる人のやり方をまねすれば成果がでるものの、素直さに欠けるがゆえに仕事を吸収する速度が遅くなり、成長が止まってしまうのが特徴です。

2.根拠のない自信がある

自分自身の能力を客観的に把握できていると、実力があるところ、そうでないところを慎重に見極めて適切な行動ができます。

一方で、自己評価が他者評価よりも高い人は、自分の本当のレベルが把握できていない傾向にあり、常に根拠のない自信を持っているのです。自分ができていないところを客観視できていないため、周りにいる「仕事ができる人」のことを認めていないケースも多々みられます。

自分に自信がありすぎると、危機管理が甘くなってしまい、周りにいる人の肝を冷やしてしまうときがあるでしょう。

3.他責の傾向がある

自己評価が高い人はときに他者を見下し、必然的に自分のほうが仕事ができると勘違いしてしまっています。そのため、ミスしても自分の非を認められず、「チェックが甘かった」「仕組みが悪い」「誰がやっても同じ結果だった」と他人や何かのせいにしてしまうケースが多くみられます。

自分を客観視して振り返れないため、周りの従業員から関わるのを避けられたり、部下が萎縮してしまったりする危険性もあるでしょう。

4.立ち直りが早い

何かトラブルやミスがあった際は原因を慎重にとらえて振り返り、再発防止策の検討が大切です。

しかし、自己評価が高い人は内省する時間を十分にとっていないため、自分がミスした印象が薄くなり、立ち直りが異常に早い傾向にあります。ポジティブといえば聞こえはよいのですが、分析が浅いことが自己評価が高い人の弱点です。

自分自身がいつも仕事ができているように感じて、自己評価が過度に高くなってしまうのです。

5.評価をアピールととらえている

自己評価の高い人は、自分の評価をアピールととらえているため、意識的に自分の評価を高く付けている傾向があります。

例えば、来年度に昇進をしたいと考えている場合、自分の至らない点などは目を瞑り、できたところを過大に評価して、実績として挙げるときがあるのではないでしょうか。

いくら上司にアピールしても、実態と乖離がある場合は、周りの人からみて「自己評価が高い人だ」と思われてしまいます。

企業が従業員に自己評価をさせる目的

ここからは、企業が従業員に自己評価をさせる目的を紹介します。

自分の成長を客観的に確認させるため

人は感情で判断する生き物であるため、少しのミスを大きくとらえて「自分はできないやつだ」と思ってしまうケースがあります。一方で、何かひとつでも成功した点があれば「自分はすごい」と傲慢になってしまうときもあるでしょう。

自己評価を行って自分の成長を書き出すと、実際に行った取り組みやできるようになったことを客観的に確認することができます。色眼鏡を外し、冷静に期間あたりの成果を可視化できるでしょう。

企業が欲する結果と自分の行動をすり合わせるため

企業は中・長期経営計画にのっとり、人材育成をしています。そのため、社内の従業員をいかに企業の目標達成に貢献する人材に育てるのかが、重要な課題です。

自己評価を行い、その評価に対する上司からのフィードバックを受けると、従業員は何をしたら企業から評価されるのかについての感覚がつかめます。その結果、企業の目標達成につながる行動がとれるようになり、企業と従業員とで目線を合わせて同じ目標を追うことにつながります。

昇進や昇給への納得感をもたせるため

企業は常に従業員をみていられるわけではありません。そのため、自己評価を行わないと、評価が一方的であると感じられ、従業員が納得できないケースが起こり得ます。

一方で、自己評価を行う体制があると、企業が把握していない成果や行動を洗い出してアピールできます。企業側は情報を得たうえで評価できるため、双方にとって納得感を持てるでしょう。

評価に納得ができれば組織や上司に対する不信感もなくなり、従業員自身の成長や企業の貢献への妨げがなくなることを期待できます。

自己評価が高いのは勘違い? 自己評価が高くなる原因

実態を超えるような高い自己評価をつけてしまう原因は、「ダニング・クルーガー効果」という認知バイアスの働きによります。

ダニング・クルーガー効果とは、アメリカの社会心理学者デイヴィッド・ダニングとジャスティン・クルーガーが提唱した仮説です。

「能力や専門性や経験の低い人は自分の能力を過大評価する傾向がある」と述べ、能力が低い人ほど、以下の傾向があると説明しています。

・自分の能力が不足していることを認識できない
・自分の不十分さを認識できない
・他者の能力を正確に推定できない

組織にいると、能力が低い人がいても他の従業員がカバーするケースがあるため、仕事の取り組み方に問題があっても気付けません。

よりよい方法があるのに変えようとする目線を持てなかったり、結果が伴わないのに現状に満足してしまったりするでしょう。組織の一因として成長が見込めなくなってしまうため、注意が必要です。

なお、このような認知のゆがみを直すには、「メタ認知」を高める必要があります。メタ認知とは、自分が認知する物事を客観的に把握して、コントロールすることです。

自己評価が高いことのメリット・デメリット

ここからは自己評価が高いことのメリットとデメリットを紹介します。

自己評価が高いことのメリット

自己評価が高い人は「自分はなんでもできる」と考えています。そのため、チャレンジ精神が旺盛になり、自信も加わって自分の挑戦に回りの人を巻き込んで、各方面の仕事を依頼できるでしょう。

また、アピールすることも得意であるため、上司に成果を報告して昇進の機会も狙えたり、チームが評価されるような報告ができたりするでしょう。

自己評価が高いと、現状にとどまらない行動を臆せずできるのがメリットです。

自己評価が高いことのデメリット

自己評価が高いと思われる人は、実態と自分の評価が見合っておらず、傲慢に見えてしまうことがあります。自己評価が高くてもミスが多いと、他の人から滑稽だと思われてしまうかもしれません。

仕事の細かなところまで目が届かないケースがあるため、知らないうちに他の社員に迷惑をかけてしまうこともあるでしょう。それでも、自分に自信があるため、自慢話ばかりすることで、周りをうんざりさせてしまう可能性もあります。

自信がありすぎて向上心がないと思われてしまうこともあり、注意が必要です。

識学式:自己評価が高い部下への接し方

自己評価が高い部下への接し方には注意するべき点があります。

ここからは識学が提唱する、自己評価が高い部下への接し方を紹介します。

客観的な数字で評価する

仕事では売上などの業績や営業成績、人事評価など、結果に対する他者評価がすべてです。

自分が満足している場合でも、企業の求めるレベルに達していないケースは多々あります。仮に「自分はもっと評価されるべきだ」と思っている場合は、「他者評価」と「自己評価」にズレが生じています。

認識のズレをなくすため、評価は感情によるものではなく、客観的な数字と達成具合で行いましょう。すると、結果が伴わない過度な自信が和らぎ、自分は評価に値する行動をしたのかを冷静に分析できます。

部下と距離を保つ

上司との距離が近いと部下は言い訳をしやすくなり、自分ができていない点を正当化してしまいます。そのため、上司は部下と一定の距離を保つようにしましょう。

必要以上に相談に乗ることは避け、以下の2つのケースのみ質問に答えることです。

・部下の権限では決められない物事への指示をあおぐとき
・部下が「自分で決めてもよいか」を聞きたいとき

「あなたが決めることだから、お客様にとってよい方法を考えてください」と伝えることで、部下が自分で考える環境を作れます。部下にとって適切な目標を設定しているのであれば、問題ありません。文句や言い訳を言って自分の行動を正当化させないために、あえて遠くから見守ることも大切です。

目標設定と同時に評価方法を定める

部下の自己評価が高くなってしまうのは、「どのようにすれば評価されるか」をきちんと把握できていないことが原因のケースが多いものです。

目標を設定する際は数値に落とし込み、部下との理解の相違が発生しないように期限、目標数値、数値の定義(基準)を定めましょう。

同時に、どの程度達成したらこの評価になる、と評価基準も提示すると、期間内にやることが明確になります。すると、自分自身で独自に考えた自己評価ではなくなるため、実態に対して過度に自分の評価を高くするような事態がなくなります。

自己評価を実態に合わせて企業の成長を促進させよう

自己評価は待遇に納得感を出したり、自分自身の成長を振り返るきっかけになったりと、あらゆるメリットを生みます。一方で、自己評価は主観的であるため、実態と評価が乖離してしまうケースは多々あるものです。

社員の自己評価が実態と合っていないと、本人の成長が止まってしまいます。周りとの人間関係がうまくいきづらくなってしまうケースもあり、あらゆるデメリットが起こるでしょう。

そのような事態を避けるため、自分のできているところや課題を正しく認識させ、組織の成長を促進する一員になるような人材に育てましょう。

【この記事を書いた人】
識学総研 編集部/株式会社識学編集部です。『「マネジメント」を身近に。』をコンセプトに、マネジメント業務の助けになる記事を制作中。3,000社以上に導入された識学メソッドも公開中です。

引用:識学総研 https://souken.shikigaku.jp/
コンサルタント紹介はこちらから https://corp.shikigaku.jp/introduction/consultant

 

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