北アルプス・乗鞍岳の裾野に広がる乗鞍高原。その中央部にある約60万㎡の緑地が、「一ノ瀬園地」です。
松本から「上高地乗鞍スーパー林道」を経由して車で約1時間、緑の草原と白い白樺は、いかにも信州の高原らしい爽快感に溢れています。
起伏の少ない園地内には遊歩道がめぐらされ、トレッキングを楽しめるほか、水遊びができる小川やキャンプやバーベキューエリアなども揃っています。
春から秋にかけては、季節の花々で彩られますが、なかでも5月の水芭蕉と、6月のレンゲツツジの群落がよく知られています。
レンゲツツジは高さ1~2mほどの低木で、乾燥に弱く、冷涼な地域では湿地などにも群生します。可愛い花姿とは裏腹に、花や蜜、葉、根に有毒物質があり、馬や牛にとっても有毒なため、「ウマツツジ」「ベコツツジ」の別名もあるほどです。
一ノ瀬園地での撮影は、朝の光線がベストで、できれば午前中までに撮影するのがおすすめです。写真家のプロ・アマ問わず、大変人気のスポットですから、やはり朝早くに出かけたいものです。
レンゲツツジはこんもりとした株になっていますので、まずは花の咲き具合や姿かたちのいい株を見つけることがポイントです。
好みの株が見つかったら、次は構図です。青空と白い雪をかぶる乗鞍岳、白樺などの木々、そしてレンゲツツジ。これらをバランスよく額縁に納めます。青い空のボリュームやオレンジ色のレンゲツツジのボリュームのバランスを見ながら、高低や角度を変えてさまざまなアングルから撮ってみましょう。
乗鞍高原の爽やかな雰囲気も伝わるように撮影しましょう。レンゲツツジの見頃は6月中旬~下旬です。
一ノ瀬園地
住所/長野県南安曇郡安曇村乗鞍高原
アクセス/JR松本駅から上高地乗鞍スーパー林道経由約1時間
問い合わせ/乗鞍高原観光案内所TEL0263-93-2045
市川 傳(いちかわ・つたえ)
1945年、東京生まれ。ヨーロッパアルプス登山を機に写真の道に入り、東京写真専門学校卒業後、建築写真を主に撮影しながら、風景写真を学ぶ。北海道から沖縄の自然を四季にわたり撮影し、カレンダー、雑誌等に写真を提供。ライフワークとして、桜・城・花のある風景を撮り続ける。公益社団法人 日本写真家協会会員。