文/川口陽海
・体幹を安定させるインナーマッスルトレーニングが効果的
・わずか2週間で劇的に腰痛が改善したケースも
新型コロナウィルスの流行により、世界的にライフスタイルが変化しています。
『外出や人との接触を必要最低限にする』
これがこれからのスタンダードになっていくのかもしれません。
奇しくもこの連載では、当初から『自力で自分で腰痛や坐骨神経痛を改善する方法』をお伝えしてきましたが、今まで数々ご紹介したように、家にいながら自力で腰痛を改善することは十分可能なのです。
ぜひこれを機会に『人に頼らず自分で治す!』というお気持ちになっていただきたいと、切に願っています。
今回は、誰でも簡単にできて効果的な、腰・骨盤を安定させる体幹トレーニングをご紹介します。
前回、前々回の記事もぜひご覧ください。
自宅で出来る! 腰痛改善トレーニング 骨盤を安定させる大腿・殿部のトレーニング【川口陽海の腰痛改善教室 第40回】
腰痛・坐骨神経痛を自宅で改善!(その2)手軽に出来る3つの殿筋ストレッチ【川口陽海の腰痛改善教室 第39回】
腰痛を改善する体幹インナーマッスルトレーニング
『腰痛を改善するには体幹インナーマッスルトレーニングが効果的』という話を聞かれたことがあるでしょうか?
病院や治療院、スポーツジムなどで、実際にトレーニング法を指導されたこともあるかもしれません。
体幹インナーマッスルトレーニングが腰痛に効果があるのには、主に『腹圧を高めて内部から背骨を支える』力を回復強化できるためです。
腹横筋や骨盤底筋を働かせ、下腹を引っ込めるようにすると腹圧がたかまり、内側から背骨を支えることができるのです。(下図左)
昔から力をしっかり入れるときに、『腹に力を入れろ』とか、『丹田に力を入れろ』とか言いますが、それがまさにこの腹圧をかける方法だったのです。
私は、かつては年に何度もぎっくり腰を繰り返し、常に腰や脚に痛みを抱えているような重度の慢性腰痛坐骨神経痛患者でした。
しかしある時『体幹インナーマッスルトレーニング』に出会い、実践したところ、わずか2週間ほどでそれまでの痛みが嘘のように、劇的に改善したのです。
これは本当に衝撃的でした。
全ての方がこのように速やかに症状が改善するとは言えませんが、適切な方法を実践していただくと、多くの方に効果があらわれます。
体幹インナーマッスルトレーニングについて、くわしくは以下のページもご参考になさってください。
腰痛・坐骨神経痛を改善する体幹インナーマッスルトレーニング
https://www.re-studio.jp/backpain/pg124.html
間違ったトレーニングは逆効果になるので注意
体幹トレーニングを教わっておこなったにもかかわらず、腰痛が良くならなかった、かえって悪化してしまった、というような方もいらっしゃいます。
良くならなかったり悪化してしまったりした方の場合、多くは不適切な種目をおこなっているか、間違った方法でトレーニングをしていることが多いようです。
腰痛で指導されることが多い種目として
■ドローイン
■プランク
この2つがあります。
ドローインの場合、『息を吐きながら強くお腹をへこませる』という指導が良くなされますが、その際にお腹だけでなく背中や腰にも強く力を入れてしまうケースが多くみられます。
そうすると、腰や背中の筋肉が強い緊張を起こしてしまい、かえって痛みがおこってしまいます。
またプランクの場合、腹横筋などの深部の筋肉にうまく力が入れられない状態でおこなうと、やはり腰に負担が強くかかり、かえって痛みがでてしまうことがあります。
プランク
このような間違いを防ぐため、筆者の腰痛トレーニング研究所では、コアヌードルという器具を使用したエクササイズをお勧めしております
コアヌードル
コアヌードルについて詳しくは以下のページをご覧ください。
コアヌードル 狭窄症・すべり症・ヘルニアを改善する運動法
https://www.re-studio.jp/cn17/index.html
コアヌードルを使用した体幹インナーマッスルトレーニング
コアヌードルを使用したエクササイズにもたくさんの種目がありますが、今回は足踏みエクササイズをご紹介します。
※このエクササイズをおこなう場合はコアヌードルが必要になります。
コアヌードルにあおむけになり両膝を立て、膝を立てた姿勢をとります。
この時、おへその下を締めるようにひっこめながら腰を丸めてコアヌードルに押し付けます。
※このあとの動作は、常に腰をコアヌードルに押し付けたままおこないます。
両手を胸の前で合わせます。
そこから足踏みをするように、片脚ずつゆっくり上げて、ゆっくり下ろします。
はじめは低めにおこない、慣れて来たら段々脚を高く上げていきます。
最大で90度程度まで上げます。
脚の上げ下ろしをおこなうと身体がかなりふらつきますが、ふらつかないようにお腹で踏ん張ってバランスを取ります。
お腹で踏ん張ってバランスをとることでインナーマッスルに力が入り、トレーニング効果が生まれます。
両手を胸の前で合わせておこなうのが難しい場合は、両手を身体の横におろしておこなってみましょう。
これを10~30回おこなってください。
腰や背中、脚などに余計な力みがあると、かえって痛みを起こすことがありますので、その点はご注意ください。
また効果が出てくるまでには少し時間がかかります。2週間から1ヶ月程度は根気よくトレーニングを続けてください。
このトレーニングをおこなうことで痛みが出たり、または痛みのためにこのトレーニング自体ができないようでしたらやめてください。
拙著「腰痛を治したけりゃろっ骨をほぐしなさい」が、全国書店にて発売となっています。
こちらでも腰痛を改善する方法を多数ご紹介しておりますので、お読みいただけると幸いです。
以下の記事でも様々な腰痛・坐骨神経痛改善エクササイズをご紹介しております。
ぜひお読みください。
腰痛改善ストレッチ 肋骨をゆるめると腰痛が良くなる【川口陽海の腰痛改善教室 第37回】
【腰痛・坐骨神経痛】痛みがある時に運動しても大丈夫? しない方が良い?【川口陽海の腰痛改善教室 第36回】
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ヘルニア・狭窄症・坐骨神経痛 しつこい足の痛み・しびれを改善するには『すねの外側』をゆるめる【川口陽海の腰痛改善教室 第29回】
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1日10回で腰痛・坐骨神経痛を改善!|誰でもできる簡単ヒップリフトエクササイズ【川口陽海の腰痛改善教室 第10回】
文・指導/川口陽海
厚生労働大臣認定鍼灸師。腰痛トレーニング研究所代表。治療家として20年以上活動、のべ1万人以上を治療。自身が椎間板へルニアと診断され18年以上腰痛坐骨神経痛に苦しんだが、様々な治療、トレーニング、心理療法などを研究し、独自の治療メソッドを確立し完治する。現在新宿区四谷にて腰痛・坐骨神経痛を専門に治療にあたっている。著書に「腰痛を治したけりゃろっ骨をほぐしなさい(発行:アスコム)」がある。
【腰痛トレーニング研究所/さくら治療院】
東京都新宿区四谷2-14-9森田屋ビル301
TEL:03-6457-8616
http://www.re-studio.jp/index.html