キャンプでの小枝切りや山菜狩りなどに役立つ剣鉈。現在、鉈は機械生産が主流だが、高知県産の土佐刃物は職人の手作業で鍛えられ、薄く丈夫で切れ味の鋭い刃を生み出し続けている。
中でもトヨクニの刃物は、農山林関係のプロも愛用する優れたものばかり。
「柄を通常より短い12cmにし、日本人の手になじむ長さに仕立てました。刃渡りもコンパクトで、細かい作業がやりやすいサイズ感です」と、4代目の濱口 誠氏は自信をのぞかせる。
刃は、日本で屈指の高級鋼「安来鋼青紙2号」と「ダマスカス材」を15層も重ねたもの。優れた刃の基準である硬度62を保ち、研ぎやすいのが特徴である。独特な波紋も美しい。
柄の格子模様はチェッカー加工といって握りやすく滑りにくいため、ライフルによく用いられる加工だ。じつは、高知県はライフルの製造地でもある。チェッカー加工の剣鉈は県内の職人たちが連携して作り出したもので、全国でも他に類を見ない。
鞘には、水気を飛ばす朴の木を使用。オイルステイン塗装を施し、鍔には真鍮を採用することで使い古したようなヴィンテージ感と風格が漂う。道具としての美しさと機能性を兼ね備えたこのミニ剣鉈は、アウトドアライフをより充実させてくれる必携の一本である。
【今日の逸品】
土佐鍛・豆山遊鉈80
トヨクニ
12,100円(消費税8%込み)