味わい深く種類豊富な鯖の缶詰。
その旨みと栄養が凝縮したひと皿
近年、鯖の缶詰の人気が高まっている。水煮や味噌煮、オイル漬けなど種類も多い。日本缶詰びん詰レトルト食品協会の調査によると、鯖の缶詰の年間生産量は約3万9000トン。鮪・鰹の両方を合わせた約3万4000トンを上回る数字である(2017年度)。
鯖缶の各製造元では原料や鮮度を重視し、品質の向上に努めている。缶詰製造の大手、マルハニチロの担当者はこう語る。
「肉厚で脂の乗った国産の鯖を厳選して使います。水煮はシンプルなので、調味料に天日塩を使用するなど、鯖本来の美味しさを引き出す工夫をしています」
豊富な栄養素を丸ごと摂取
鯖は栄養価の高い魚だ。圧力をかけて中骨まで柔らかく加工した缶詰なら、鯖の栄養素を丸ごと摂取できる。認知症のリスクを下げるといわれるDHA(ドコサヘキサエン酸)、血液をさらさらにする効果を期待できるEPA(エイコサペンタエン酸)も豊富。厚生労働省が定めた一日の食事摂取基準では、DHAとEPAを合わせて1g以上だが、「1缶でDHA約2.7g、EPA2.3gと栄養豊富」(マルハニチロ)だ。
そこで鯖の水煮缶を使ったパスタ料理の作り方を紹介したい。水煮の汁も使うので、栄養満点のひと皿である。
【材料(4人分)】
【手順】
※この記事は『サライ』2018年12月号の「魚料理大全」特集より転載しました。本文中の年齢・肩書き等は掲載時のものです(取材・文/鳥海美奈子 撮影/宮地 工 レシピ考案/田中優子)。